シンガポールGP - 土曜フリー走行
ベッテル、すべてのフリー走行を制覇
M.S.
2012年9月22日
今年で5回目のグランプリ開催を迎えるシンガポール市街地サーキットにて、22 日(土)日本時間19時から2012年FIA F1世界選手権第14戦シンガポールGP土曜フリー走行が実施された。
初日の金曜日には日没前に始まった1回目のフリー走行でセバスチャン・ベッテル(レッドブル)が1分50秒566の記録でトップに立ち、マクラーレンのルイス・ハミルトンとジェンソン・バトンが2番手と3番手に入った。
日が暮れて照明の下で行われた後半のセッションでは再びベッテルが1分48秒340の最速タイムをマークし、バトンが2番手。3番手にポイントリーダーのフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)が続いている。
夕暮れが迫る土曜フリー走行スタート時の天候は曇り、気温30度、路面温度33度のドライコンディションだった。ピットレーンにはオープンの直前にキミ・ライコネン(ロータス)ら数台のマシンが並び、セッションスタートと同時にコースへと向かっている。
開始から程なくして全車がインストレーションラップを終え、早速タイム計測が始まった。序盤にはライコネンがトップに立つも、ニコ・ヒュルケンベルグ(フォース・インディア)がそれを上回り、さらには真っ先に1分50秒台に入れたハミルトンが最速タイムを塗り替えた。
最初の20分が過ぎるとトップは1分50秒524を刻んだバトンに変わり、トップチームに混ざってフォース・インディア勢が上位に登場。ハミルトン、ヒュルケンベルグ、ニコ・ロズベルグ(メルセデス)、ポール・ディ・レスタ(フォース・インディア)がトップ5に並んでいた。上位勢ではセバスチャン・ベッテル(レッドブル)とフェラーリコンビがこの時点ではまだタイムを残していない。
その後すぐにハミルトンが僚友を抑えて再びタイムシートの頂点に。2番手にウェバーが飛び込み、遅れて始動したベッテルは4番手につけた。
プログラムにいったんの区切りをつけて引き上げている面々が多い中、マルシャのティモ・グロックがコース上でストップし、一時的にイエローフラッグが掲示される。セッション前半部分が間もなく終了するというこのタイミングでフェラーリがアロンソとマッサをコースへと送り出した。
1分50秒223を計測していたハミルトンは自己ベストを更新するペースを見せるも、コントロールラインを通過せずにピットへ。ベッテルがハミルトンと0.050秒差の2位に浮上した。
その後、夕闇に沈みつつあるシンガポールの空の下でアロンソが最速タイムをマークしたものの、ベッテルが1分49秒台を叩きだして上位はベッテル、アロンソ、ハミルトン、ウェバー、バトンのオーダーに変わる。
ここまでは全員がプライムのソフトタイヤで走行していたが、ラスト20分を前にウィリアムズのブルーノ・セナがスーパーソフトでの作業に切り替えた。
オプションに履き替えたブルーノは8番手、さらに2番手にポジションアップ。一方、ソフトタイヤでのプログラムを続けていたウェバーがバリアに接触して右リアに大きなダメージを負ってしまう。ウェバーが自力でガレージへとたどり着いた残り15分頃にはライバルたちもほとんどがピットに戻り、スーパーソフトでの走行準備を進めていた。
先陣を切って最後の走行をスタートしたのはベッテルで、自己ベストを約1.6秒縮めて1分47秒947をマークする。続いてアロンソが2番手タイムを記録した。
残り5分に入るとストップしたグロックを除く全員がコース上で周回を重ねる。各車がスーパーソフトでベストタイムを塗り替えようとプッシュする中、ケータハムのヴィタリー・ペトロフがターン21でクラッシュ。さらに続くコーナーのウオールに接触しながらピットレーン入り口でマシンを止めたため、セッションは残り時間3分を切ったところで赤旗中断となり、そのままチェッカーフラッグが振られた。
貴重な予選シミュレーションの時間が削られたこのセッションでは1分47秒947を記録したベッテルがトップに立っている。赤旗前にタイムを更新したハミルトンが2番手に入り、以降アロンソ、ヒュルケンベルグ、ライコネン、マッサ、ディ・レスタ、ロズベルグ、ブルーノ、ミハエル・シューマッハ(メルセデス)びトップ10となった。ザウバーの小林可夢偉は14番手タイムだった。
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