F1 NEWS クルサードのコラム: 中国でのハミルトンの驚くべき走りが今季を活気づける | takazamaのブログ

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2011年04月20日
クルサードのコラム: 中国でのハミルトンの驚くべき走りが今季を活気づける
David Coulthard: Lewis Hamilton's wondrous drive in China shakes Formula One season into life
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スポーツで最も使い古された決まり文句のひとつであるが、まさに「1週間の間にこれほど変わるものなのか」である。

ルイス・ハミルトンは、マレーシアで予定外の4回目のピットストップにより4位から7位まで後退し、混乱しているように見えたし、不満を抱いているようにも見えた。彼が発言すると、チームは違うことを言っていた。

彼は、タイヤに厳しすぎるといういつもの非難を知って明らかに苛立っていた。彼は過去数年間その評判を葬ろうと努力してきたが、それが再び彼につきまとうようになった。

彼はまた、マクラーレンの能力を知っていた。今や、僕たち全員がそれを知っている。

中国でのルイスは攻撃的で、最高に輝いていた。実際、僕が覚えているなかで、彼の最も優れた走りのひとつだった。

彼は素晴らしいスタートをして、セバスチャン・ベッテルを抜き去り、チームメイトであるバトンのすぐ後ろの2位につけた。彼のミスではなかったが、最初のピットストップでセブに抜かれたあとも落ち着いていた。そして3ストップ作戦を完璧にこなして、残り4周でレッドブルのワールドチャンピオンをとらえた。

セブの抜き方には風格すらあった。ターン3出口では、彼が使うと思われたKERSエネルギー・ブースト装置による追加の馬力をセーブし、ターン6の出口でKERSを使って、緩やかな左回りのターン7でレッドブルを抜いた。レース後セバスチャンもこのオーバーテイクには「驚いた」と言っていた。

要するに、非常に頭のよいドライバーによる、非常に頭のよい走りだった。

英国ではどのように受けとられたのかわからないが、マーティン・ブランドルと僕は、解説が終わった後とても興奮していた。

日曜日のレースは、チェッカーフラッグまで予断を許さない状況が続く魅力的な戦略上のバトルであり、すぐに最高のレースの仲間入りを果たした。これまでは最後のピットストップが終わるとレース順位がわかってしまったが、もはやそうではない。

「古典的なホイール・トゥ・ホイール」ではないという反論も理解できる。あのオーバーテイクは、同じ作戦の同じようなマシンの間で行われたものではない。

しかし、僕らは過去をバラ色の眼鏡で振り返ることが多い。2台のマシンが同じであったことはない。アラン・プロストとアイルトン・セナの時代は、エンジンもターボも違っていた。

それ以前のマシンは空力学的レベルではなく、機械的に大きく異なっていた。

今のマシンは違っているが魅力的だ。観客は集中力を求められ、各ドライバーの作戦を理解し、そのドライバーがタイヤをどれくらいもたせることができるかを評価しなくてはならない。

序盤のピットストップでは混乱するかもしれないが、レースが展開した2時間後には、それが決定的な動きだったことを理解するだろう。

レース後「3ストップ作戦は2ストップ作戦よりも優れていた。だから彼が優勝した。単純なことだ」と言うのはあまりに単純すぎる。

しかし、ピットストップが1回増えればトラック上で23秒短縮しなければならないし、途中で何台ものマシンをオーバーテイクしなければならない。そして最後に標的マシンを抜かなければならない。ドライバーとして、それをしろと言われるのは意地悪でも何でもない。本当だ。

だからこそ、ルイスのパフォーマンスは見事だったのだ。だからこそマーク・ウェバーの3位がそれほど素晴らしかったのだ。マークは、追い詰められたときに最高の走りをすることが多い。

土曜日の予選で18位に終わった後、彼には大きなプレッシャーがかかった。多くのファンは未だに、どうして彼がルイスからわずか7秒遅れでフィニッシュできたのか不思議に思っていることだろう。

素晴らしかったが、誰にでも選択肢がある。だからこの方式は魅力的なのだ。チームが望めば、Q1で脱落してレースのために新タイヤを温存することもできる。マークはそうしたのだ。

おそらく今後はこれが有効な作戦になるかもしれない。誰にもわからない。

楽観的になる理由はたくさんある。タイトル争いは予想がつかず(ただしフェラーリが仲間入りする必要がある)、レースからは目が離せず、ドライビングは最高レベルにある。

この1年が活気づいている。トルコが待ち遠しい。

-Source: Telegraph.co.uk


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