「あぜ道のダンディ」、最高だった。



主演の光石研さんが絶品だ。



間違いなく、彼の代表作となるだろう。



光石さんと、親友役を演じている田口トモロヲさんの作品内での掛け合いが素晴らしい。




下手な芸人など、真っ青の見事な「間」である。




物語の核は、中年男性へのエールだ。




男手ひとつで、ふたりの子供を育ててきた主人公が見せる弱音であったり、それを乗り超える姿であったりを、かなりリアルに描く。




中年男性たちが、大いに共感することは間違いない。




もちろん中年だけが観るにはもったいなさすぎる。





監督の石井裕也さんは、27歳の若さだ。





そんな彼が、50歳の男の気持ちを代弁してくれている。





それが、またいい。





彼が理想とする男性像を描いたという。





なんせ、見た目、恰好良くはないのだ。





でも、その生き様が、とてもいい。





「川の底からこんにちは」では、若き女性の、イケてないけど、とても格好いい姿を描いた。




今回の「あぜ道のダンディ」は、「川の底から~」と併せて語られる名作だと思う。





「最近、オモシロい映画・テレビがないんだよね」、





と、ほとんど何も観ていないくせに、嘆いているタイプの人にゼヒ観て頂きたい。




マジでオモシロいので。





ボクの中での今年度最高点の邦画が、また入れ替わった。(ちなみに、次点は「阪急電車」だ)