これも恒例の正月人気番組。


明石家さんまさんの二十代からの活躍を知るファンにとって、テニスで足がもつれる姿を目にすることは、かなりの驚きである。


若い読者には意外かも知れないが、


芸能人運動会の類で、アイドルを相手にことごとく撃破したことは、今や神話にさえなっている。

当時、芸人がアイドルに勝ってしまうことはタブーだった。少年時代の自分も、なんとなくそうした不文律は認識していた。視聴者の多くがそうだったのだ。


年取ったことを否定しないさんまさんがいた。


「70になっても俺と遊んでくれよ~」


と笑顔にまぶしつつも、ほぼ真剣にキムタクに言う横顔があった。


さんまさんを憧れの思いでみつめ続けてきた身とすれば、こうした物言いは少なからず寂しい。


でも、同時に、


「年取るって、こういうことだよなあ」

と素直に受け入れる気にもなる。


あのスーパースター、明石家さんまさんも、おじいちゃんになるのだ。


彼より七歳年下だ。


ゆっくりと、彼の背中を見ながら生きていこうと思う。


ある意味、さんまさんの魅力を一層感じられた時間だった。