熊野から吉野に至る大峯山には、山伏修験道の開祖・役小角(神変大菩薩)が開いた古代からの修行の場がある。

鎌倉期には、熊野の修験者たちが聖護院と共に本山派という天台系の宗派を創っていた。

時は戦国時代、正山上人もその大峯山で修行を積んだ後、諸国を巡歴する修行の旅をしていた。竜泉の地に立ち寄ったある晩のこと、上人は夢に一筋の光と共に立ち昇る龍の姿を見た。龍は倶利伽羅龍として、お不動さまの利剣をあらわし、お不動さまの御加護を象徴するもの。お不動さまを感得した上人は、竜泉の村人たちの息災延命と、自らの旅の安全を願い、お不動さまを刻んでこの地に奉安した。

享禄三年(一五三〇)、正山上人が開基となり、このお不動さまを御本尊とする天台修験の寺院が建立された。龍が光を放ち空へ昇ったことにちなみ「龍光山」と号された。

 

創建後の間もない頃、住職が御本尊を背負って大峯山まで修行に行かれたことがある。戦乱をくぐり抜けた住職がようやく道中無事に大峯山にたどり着いたが、お不動さまは一夜にして大峯山から江戸に飛び帰られたという。「空を飛び来て衆生を守り給うお不動さま」として人々から崇敬され、「飛不動尊」と呼ばれるようになった。

 

いつの頃からか、パイロットや客室乗務員の方々などをはじめ飛行機に関わる職業の人々の参拝が目立つようになった。「空を飛ぶお不動さま」は「旅人の守り本尊」としてだけでなく、「飛行を掌る守護神」としても奉られている。航空交通の発達にともない、飛行機での旅行者も増え、旅行全般の安寧を祈願するために「飛行護」も授与されている。その効験が広まり、「落ちないお不動さま」とも呼ばれ、受験にも御利益があると言われている。(やや強引やなぁ~爆  笑

 

本尊は、飛不動明王(秘仏・酉歳御開帳)

 

ご朱印はこちら

 

不動明王と童子(法守護童子)のお姿

 

関東三十六不動霊場 第二十四番札所

「龍光山三高寺正寳院(天台宗単立)」

 

東京都台東区竜泉3-11-11

地下鉄日比谷線「三ノ輪」駅1b出口より南へ600m

東武浅草駅前より都バス日暮里駅行で「竜泉」下車250m