2019年国家総合職【No.24】

ア:妥当でない。

譲り渡すことができないものの例としては,覚せい剤が挙げられます。処分できないものである以上,質権の設定も当然できません。条文は343条です。
 
この問題が難しいのは,「差押え禁止財産など」を「譲り渡すことができない物」の例示として挙げられているところです。差押禁止財産(※)は,譲り渡すことができます(例えば,一つしか有していない電子レンジを使っていないという理由で,メルカリで出品することは問題なく認められます。電子レンジは差押禁止財産ですが,所有者は自由に処分できます。)。
 

(※)差押禁止財産の具体例として色々ありますが,イメージしやすいものは以下のものです。

・債務者等の生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用具、畳及び建具

例えば,タンス,ベッド,調理器具,食卓セット,冷暖房器具・エアコン,衣類,洗濯機,冷蔵庫,電子レンジ,……など,生活の必需品です。

 
なお,テキストは213頁⑶です。
 
この段階で,選択肢1,2が切れますが,分からないということで飛ばす方も多かったことが予想されます。
 
次の記事で,イ以降の選択肢を検討していきます。