僕の家の敷地は広い。
約100坪あるらしい。
しかしながら、
この数字から僕の家が大きいという事実は生まれてこない。
あくまでそれは敷地の話だった。
この敷地にはなんと4つの家が立っている。
元々は僕の祖父が受け継いた土地である。
よって、この土地は僕の血族直径が管理していることになるし、
実際に土地の税金を払っているのが母だった。
なのに、なぜ、この土地には4つの家があるのか。
・家その1
これは祖父祖母の家である。
・家その2
これは僕の家である。母……祖父の娘の家でもある。
・家その3
祖父の兄弟の家である。手作り感がある。
・家その4
祖父の兄弟の家である。一番でかい。
その3に住んでいるのがまたよく分からない方で、
結婚もしておらず、手作りのような家に住んでいる。
彼は会えば挨拶もしてくれる。
正直どう生活をしているのか心配な人だった。
しかしながら、その4に住んでいる方は違う。
仕事もしており、結婚もしており、家族を作っている。
なぜ、この土地で税金も払わずにいつまでも暮らしているのか。
挨拶もせず、こちらを一瞥していつも去るのみである。
親戚の付き合いというのが、かすかな記憶の片隅にあった。
祖父の家で集まる親戚一同。
鳴るオーディオ、カラオケ大会、野球観戦、遊ぶ子どもたち。
それはなんとも良い、雰囲気の、親戚付き合いだったように思う。
僕は野球観戦に興味はなかったが、それをする祖父たちを
じっと眺めていた。
いつしかそれは無くなり、
祖父は酒しか飲まず、酔って狂って亡くなった。
祖父を失った祖母は狂い、
幻視と幻聴を訴えて遂には狂乱になり、精神病院に送られた。
そんな時でも殆ど祖母と祖父を、彼らは助けなかった。
声をかけただけだ。
なぜ、そんな風にしてこの土地に居られる。
なぜ、無視をする。
僕の血の半分は、彼らの血統だ。
母方は確かにおかしい人が多いが、
ここまで来ると呆れるような、唇を噛み切りたいような
気持ちになってくる。
親戚なんてものは、居ても助けてくれなさそうだ。
そんな気持ちで「ぼくのなつやすみ4」をプレイすると
きっと泣きそうになるのではないだろうか。