サークルの学園祭発表。
毎年行われてきたこの発表に「4回生」という学年は
「4回生発表」としての時間を分け与えられる。
就職活動を終え、
一致団結出来る時間を得た我々4回生は
3年の知識と経験と技術を活かして発表する……はずだった。
1人の男が授業、教習、バイト
と言う理由で学園祭発表出場を取りやめた。
もともと有志発表であるために
彼自身に貸せられた団体的な責任はない。
しかしながら、
彼が居ることを想定して作成されてきた発表内容は
大きく変更されることになった。
そして、今週火曜日に
もう1人の男が突然ある日の発表を取りやめた。
理由も語られず、ただ「出来ない」ということだった。
「ああ、分かった分かった」と体面上は言ってみる。
そして、頭の中でも
「起こってしまった事態には悩んで愚痴をこぼすより、
解決のための策を講じるべき」
ということが分かっていた。
それでも、ふざけるなよお前らと思う気持ちがあった。
そんな姿を下級生に晒して、よくも先輩面をしてきたものだと。
それによって生まれた綻びを立て直すのは
欠場する2人ではなく、残っているメンバーなのだ。
一体なぜこんなことに。
いつも僕は「なぜこんなことに」と問いている。
理由は分からない。
他人の人生も、判断基準も僕には一生理解できないだろう。
ただ悲しんだり、嘆いたりするしかないのか。