夏休みが終わる日。
僕は高校に来ていた。この高校で手話通訳を始めたのも2年前。通訳対象の学生も1年生から3年生になり、かっこよくなっていっている。月日は偉大だ。
今日はスポーツ系の手話通訳だった。車イスバスケット、ラグビー。公演依頼を受けるだけあって、選手たちの喋りや、パフォーマンスは素晴らしいものだった。
しかし、裏を返せば、それを伝えるには卓越した技能が必要になる。
スポーツしながら喋る。
体験させる。
交流させる、などなど……。
苛烈を極めた。
後輩に頼るべきところは頼らせてもらった。他の団体に多少の絶望感を、いや、自分の団体にもしかり、抱いているところに彼女の一生懸命さは心地よかった。
明日から授業。
4回生ではあるが、授業は、受ける。