僕と乗り換え精算機 | no title

no title

高をくくる


乗り換え精算機というものをご存じだろうか。僕が彼と出会ったのはもう3年も前のことである。電車に乗ることもままならなかった僕は「切符を間違って買ってしまったら捕まってしまう」と思い込んでいた。それを解消するこの機械を見つけられた時は小躍りしたものである。

当時大学1回生の僕がどれだけ電車に関して知らなかったかといえば。

・各停以外に乗ると追加料金を取られると思っていた。
・定期券は終わりと始まりの場所以外は料金が必要と思っていた。
・どんな混雑していても吊革を放してはいけないと思っていた。

大学に入ってからこれらを習得するというのは大変恥である。外出しないというのは恐ろしいことだ。

そんな僕は乗り換え精算機と出会い、ついにはそれを定期券と併用できることを知った。ある日僕は定期券を差し込んだ。清算した。おつりと代わりの切符と定期券が排出される。おつりを財布に直していると、定期券がなくなっていた。

駅員を呼ぶという恥辱に耐えて聞けば「一定時間たつと定期券が吸収される」らしい。

僕は乗り換え精算機の恐らしさを知った。彼を利用する度にそんなことを思い出すのである。