同類 | no title

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高をくくる

大学生活を送る中で1番良かったことは

一緒に居て心地好い同類と出会えたことだった。

 

勿論いくつもの団体に入ったことも、鍋パーティー、うどんパーティーだのと意味のない楽しいことをしたことも、学園祭に打ち込んだことも楽しかったが、良かったことといえばそれである。

 

今まで教室で浮いた人間がより集まって出来たグループに所属するか、もしくは独りでいるしかなかった自分にとって、無限に話せるようにさえ思えた人達と出会えたことは何よりも得難く、喜ばしいことだった。

 

しかし、何故かそれは歳上だったし、何故かそれは他の大学だった。彼らと共に過ごせた時間は、ほんの半年かそこらだっただろうか。

 

この前の卒業式で、1つ上の代さえも居なくなってしまった。他大学の彼らともいつしか疎遠になってしまった。何が悪かったのだろうか、何も悪くなかったはずである。

 

しかし、同類とも呼べる人々の繋がりが全て消えた今、とんでもない早さで日々が流れていっている。味を失ったガムのように、薄味の日々が流れていっている。別に楽しくないわけではないのに、深く心に残るような出来事にならない。取捨選択の「捨」に分類されるようなことばかりになってしまっている。

 

寂しいのだろうか。無駄話が出来る、自分とどこかしら共感出来る人がほしい。有意義な会話も情報交換も会議も、本当は要らない。

 

これじゃあ生きていけない。プラスを体感することで、よりマイナスを感じるならば良い出会いなんて要らなかったのだろうか。