起きてご飯を食べてまた寝てしまった。
人と会う予定をしていた。
「1日1就活」とは言ったものの、どうも前回の面接の後からサボリ気味だった。いつも疑問に思ってしまうのだけれど、僕は他の人達がそれをしている端くれを見ただけで、他の人達が24時間それをしているような印象を受けてしまう。今であれば24時間就活をしているように見えるし、今までであれば24時間アルバイトをしているような印象を受けていた。実際にはそんなことはない……はずなのだが。
そろそろバレンタインデーだった。というか、これを書いている今日はバレンタインデーだった。しかし、出かける予定はない。流石に家のポストにチョコレートが投函されるというようなことはないだろう。
しかし、貰えたのでよしとする。
そういえば朝のある時間にこんな話が舞い込んできた。
「ワークショップで使用する映像を授業で使っても構わないか」
「ワークショップで使用する映像」というのは、2月末に行う予定であるワークショップの為に先輩が撮影し、僕が編集した映像のことだ。それを授業で使いたい先生が居るのだという。学生の努力の結晶だから……ではなく、丁度良かったからという感じだろうか。因みに見返りは「食事」らしい。その為に映像に出演したキャストに食事案募集がかけられた。キャスト達のライングループは「肉だ!」「ラーメンだ!」と盛り上がっている。
僕は編集段階では1日かけて頑張ったものの、撮影では何1つ協力していない。撮影は部室で行われたからである。自分が行かないと誓った場所に行くことは出来なかった。撮影面で協力していないので絶対的にそれを断る権利を持たないと自分では思う。
「食事」は僕にとって見返りとしての機能を果たさない。僕は「食事」にあまり関心がないからだ。関心がないというよりは食事をしてしまうと異常に肌が荒れるのだ。だから、いつからか僕は食事を控えめにしていく癖がついた。そんな僕に豪華な食事を提供しても、喜ぶどころか逆効果なのだ。この辺りの疑問はサークルの飲み会・食事会でもあった。僕の参加理由が「皆と話合ういい機会」であるのに対して「呑みたいから・食べたいから」というみんなの理由。呑みたいから呑む、食べたいから食べるが出来ないのだから、困る。
さておき、食事案で盛り上がるLINEグループを眺めていて、僕はなんとなく断りたいような気持ちが底から溢れてきた。きっとこれも嫉妬だろう。自分がサークルとかかわらないように行動している以上、あまりその輪には入ることが出来ない。更にみんなが楽しんで食事することは出来ても、僕は楽しむことが出来ない。サークル時代から編集はいつも1人だった。みんなに見せるのは何時間が頑張った成果である数分、ないしは数秒のみ。ものづくりとはそんなものだ。映画のワンシーンに対して十数時間かけるようなものだ。だから知ってほしいというわけでもないけれど、あまり苦労は伝わらないことが多い……のかもしれない。
結局、僕は「お好きに判断して下さい」と先輩に返した。依頼主である先生と、サークルメンバー達が楽しく食事をしている風景が少しだけ目に浮かぶようだった。