外には影があふれていた


建物の影という影に溢れており、私が横を通ると


オォーっといってこちらに手を伸ばしてきた


しかし、初めにいた人に、入った影たちの姿がまったくいない


おそらく老人のお陰で人間とは別の擬態だったから、消してくれたのだろう


私は図書館から少し離れた大型ホームセンターにはいり


電球や蛍光灯、バッテリーなどをかごにつめた


すると、背中に寒気を感じたと同時に


背後で音がした


後ろを振り向くとDがいた


『やあ♪ゲームは楽しんでくれているかい』


あのやな顔で笑っているので、さらに嫌だった


『あぁ、楽しんでいるよ…ただ、何で観察者のお前がここにいる』


Dはさらに笑いながら


『ボクはいつ観察者だといった?アイツはもっと上でみてるよ』


『どういう事だ!』


『君は鈍いね!ボクは君らがいう影だよ!』


そんなはずはない、確かにDは人間の風貌だ


『僕らとかわりない、姿ぢゃないか!』


『まぁー確かにそうだが、ボクは上級なんでね!光なんて怖くない』


『お前みたいなのがまだ、いるのかよ…』


『まぁ、ゲームを面白くするために一つ良いことを教えよう
上級は一地域に1人だけだよ!』


『じゃあ、お前を殺ればひとまずいいんだな!』


『おいおい!そんなにいきなり、ゲームなんだから楽しまなくちゃ!
それに、君たちは、みんなサイキッカーなんだろ?僕らの方が不利だよ』


『サイキッカー?オレらはそんな能力使えない!』


『まぁいいや!ここは夜までまとうよ!夜は僕らの時間だ!』


Dは笑いながらいった


私は、荷物をつめて置いてある自転車にのり逃げた


『おい!いいのかよ、D!今やるならやるぜ』


『だまれ、中級が!雑魚から中級になったばかりとはいえ
殺るぞ!』


『ハイハイ、D』


私は、影がどのような文明なのか、Dの他には本当に特別なやつはいないのか


とにかく、今は夜に備える事が大切だ


2時間生き残る事だ


図書館に帰るとCの妹が苦しんでいた


妹さんは、しきりに


『頭の中で沢山の人が助けを求めてる!もうやめて!』


私は、これが妹さんの能力なんだと思い


『とにかく、一つ一つ人の声を切っていくんだ!』


一つ一つ切っていき、数分かかった


おそらく声はこの地域の生存者の心の声だろう


落ち着いた妹さんには酷だが、心の中で私たちの位置と夜の注意を念じてもらった


念じて終わった妹さんは、すーっと腰をおろし寝てしまった


時間を、みると朝の2時間の内半分が過ぎていた


~つづく~