昨日,鬼島という歌を紹介しました。
詳しいことは書きませんでしたので,ちょっと紹介。


歌手は黃明志というマレーシア華人です。
彼の歌は社会諷刺が効いたラップが多いのですが,鬼島も正に台湾社会に対する社会諷刺そのものです。

台湾は1540年ごろにアジアに進出してきたポルトガル人に,イルフォルモサ(美しい島)と呼ばれたとされています。実際は1580年ごろに来たスペイン人が言ったともされています。
それ以来,台湾の自称として,それを中国語訳した美麗島や寶島が使われて来ました。

高雄のMRTに美麗島という駅がありますが,元々,1979年に民主化を希求するグループ(後の民進党)が創刊した雑誌「美麗島」に由来し,同年,高雄で美麗島が主催したデモと政府が衝突し,多数の逮捕者が出た美麗島事件が起こった場所であることから,その名が付けられています。
奇しくも,昨日は香港で民主化を求める大規模なデモがありました。

数年前から,台湾を自嘲する台湾人の間で,台湾を鬼島と呼ぶようになりました。私の友人もネット上でよく使ってました。
確かに,台湾社会は個人の自由が保証され,自分勝手で無茶苦茶なことが多いので,そんなことばかりが起こる島と言う意味で使ってるんでしょうね。

民主化されて,自由になった人々は美麗島=鬼島に住んでいるのか,とても興味深い表現だと思います。