ただいま、パーヴォのハンス・ロット交響曲第1番を聴いています。

なんど聴いても、すがすがしくて、さわやかな感動と明日への希望を感じさせてくれる名盤ですね!はやく先日の「クラシック音楽館」での放送をしてくれないかと、心待ちにしています!

 

さて、きょうはお部屋探しの続きで、とある沿線の不動産屋さんをかたっぱしからあたっていました。しかし、いまは3月上旬ということで、どこもお部屋が退去前でなかなか見せてもらえません。希望条件をだしても「3月下旬にならないと、お部屋がみせられなくて・・・ごめんなさい」と断られるばかり😢

 

もう途方にくれて、実家に帰ろうと思ったのですが、そこでふと、「あ、この駅の不動産屋さんはあたってなかったなぁ・・ダメ元だけど、一応行ってみよう」と思い立ち、駅を降りて、おまわりさんに道を尋ね、とある小さな不動産屋さんにトコトコといったのでした。

 

すると、とてもベテランと思しきの、ご年配の優しそうなご主人と奥様がにこやかに出迎えてくださいました。

 

「あらら、君、なんだかくたびれた顔をしているね。どうしたの」と優しくきいてくださったので、

私が「実はどこの不動産屋さんも全然だめで、なかなか思うような物件を見ることができなかったのです。それで途方に暮れまして、最後の手段でここにきました。ダメ元なんですけれどね」と正直にいいましたら、ご主人が「どんな条件なの?」とおっしゃるので、

 

「家賃が管理費込みで〇〇円で、2階以上のアパートないしマンションをさがしていて、お部屋は大体一人暮らし用でして・・・」といいましたら、ご主人がにっこり笑って、「それなら君にピッタリのお部屋があるよ。これはどう?」と見せてくださったのが、お値段もリーズナブル、かつお部屋の希望条件もぴったり、駅からも近く、大変静かで穏やかな街の中に位置するお部屋の資料をみせてくださったので、私はビックリ!!!

 

「いいんですか?きょう内見させていただいても?」と私が尋ねると、ご主人は「いいよ。もうなんだか、(君に)半分決まったようなものだね(笑)」と笑顔で答えられ、「君、お仕事は?」と尋ねられました。そこで私が「クラシック音楽と歌舞伎の批評を書いていますが、まぁまだまだなかなか収入が得られない状況でして、4月1日から〇〇〇〇〇でアルバイトとして勤務することになりました。それでこの沿線を探していまして」と手短に話し、私の名刺をお渡しし、「けっして怪しいものではありません。私こういうプロフィールの人間です」と申し上げましたら、ご主人がじーっと私の顔と、名刺の裏のプロフィールを見比べて、「そうか。君はたいした勉強家なんだね!」とおっしゃってくださって、私は大変ほっとしました。

 

というわけで、さっそく、ご主人とその街をそぞろ歩きながら、物件のあるところに行きました。もう白梅が咲き誇っていて、心がとても休まりましたし、意外に実はとても、この街にいて、ほっとしている自分に気づきました。もちろん、仕事で幾度も訪れた街ですし、勝手は知ったる場所でしたが、いざ住むとなると、意外に知らないことだらけであることに気づきました。

 

お部屋を案内されて、そこを見たとたん、私は体の中を電流が走りました。

白一色で彩られた、贅沢ではないですが、美しく使われてきたお部屋に、

大変満足しました。

そんなに最新のスタイルではないですが、

いたるところに、いままで住んできた方々の愛着が感じられる、

そんなお部屋でした。

窓からはやはり、前のおうちで咲かせている花々が優しく出迎えてくれて、

私は意を決しました。

 

「私、この街に住むために、いろいろ苦労を重ねてきたんだわ!

この部屋から、新しい世界が始まるんだわ!」

 

と、心浮き立つ思いでした。

 

「父にも了解をもらいますが、ぜひこの部屋に住みたいです」

そう、私はご主人に申し上げました。

 

美しい家並みがずっと続く中、ご主人はにこやかに、「桜の咲く季節には引っ越してこられるといい。桜が咲くとそれは見事なのでね。ご両親も遊びにきてもらって、くつろがれるといいでしょうね」といってくださいました。

 

「ほかの不動産屋さんにずっと君が断られ続けたのは、君がこの街に来るように、ご縁を(神様が)つくってくださったんだろうね。なぜって、この街に君はぴったりな人ですよ。私はこの街で不動産屋を45年やってるからわかるけど、この街に合う人間と合わない人間と二通りいる。で、君は、もう店に入ってきたときから、この街の住人にふさわしいと思ったからね。ぜひお声掛けをしたかったんですよ」と言ってくださり、私は感激するやら涙ぐむやら・・。

 

申込書にサインをし、新しい職場の採用通知書をコピーしていただき、身分証明書を見ていただいて、初期費用のお見積りを出していただくことにしました。

父に電話し、いまいる場所を告げると、父は仰天しました。

「なんでそんなところにいるんだ?豪邸でも買おうっていうのか!?」

 

私は、「いいえ、もちろん賃貸でお部屋をかりるのよ。とてもお手頃でいい物件がみつかったの」報告し、値段をいったら、父は電話の向こうで「そりゃよかった。ラッキーだったなぁ!初期費用はどのくらいなの?」 ご主人が、「では資料をつくるので、それをお父様に見ていただいたら」と手短にいうと、父は「じゃ、お前が帰ってくるのを待つから、早く帰ってらっしゃい。ママも心配してるから」といって電話を切りました。

 

ご主人は「しっかりがんばって働いて、いい批評を書いて、この街に住み続けてくださいね!」と励ましてくださり、私は大変感謝しながら、店を後にしました。

 

帰宅して父に初期費用の見積もりをみせると、父はふぅむ、と息をついて、「まぁいいよ。落ち着いて住めるいい場所だから、お前も安心して、仕事と執筆に取り組めるね。治安もいいだろうし、大丈夫だろう」と安心したようでした。母は手放しの喜びようで、「チコちゃんは、やっぱりそういう街に住むべきだと、ママはおもってたわ。あなたにぴったりよ」と嬉しそうに、お部屋の資料をうっとりと眺めていました。

 

「駅前に大きなビルがあるから、ママもパパも桜の咲くころになったら遊びにきてもらって、そこでおいしいレストランに入ろうね。車いす対応も最新のビルだからもちろんしてくれるし、街は綺麗だし、きっと楽しめるわよ」と私がいうと、母はうんうん、と大きくうなずいて、

 

「チコちゃんが小さいころ、よくママ、チコちゃんを連れにこの駅に来たけれど、まさか自分の娘がこの街に住むことになろうとはね・・・よくやったわ、チコちゃん(^_-)-☆」

と喜んでくれました。

 

パーヴォには、これから報告のメールを入れますね(^_-)-☆

パーヴォには、わたしの住む街の正解発表をお伝えします。

パーヴォ、ビックリされるだろうなぁ(^_-)-☆

でも、パーヴォはこの街のなんたるかは、あまりご存知ないかもしれないけれど・・。

いつか、パーヴォもこの街に住んでくださるとうれしいなぁ♡

 

さっそくこの街の本屋さんに入ってみたら、うれしい発見がありました。

なんとエストニアの画家の方々のミニ展覧会をしていたのです!

 

そこのご主人に、私が興奮気味に「昨年8月、実はエストニアのタリンに行ってきたばかりなんですよ!」と言いましたら、ご主人が「僕も9月に行きましたよ!老後はエストニアに住もうと決めてるくらい、僕、エストニアが好きなんです」とおっしゃられて、なんだかすごいご縁を感じてしまいました!

 

近くにCDショップがあって、「パーヴォ・ヤルヴィさんのCDはありますか?」と尋ねたら、

店員の女性が「ああ一枚だけならあります。どんな方ですか?」と聴かれたので、

私がお店にあった、パーヴォの「マーラー交響曲第6番<悲劇的>」のジャケットを見せたら、

店員さんがポッと顔を赤らめて、

「まぁ素敵な方!とってもダンディですね。まるで映画俳優さんみたいだわ」

とおっしゃったので

「これから、彼はますます大スターになられますよ。ぜひたくさんCDを置いてあげてください」と

私がいいましたら、「もちろんです!チェックしてみますね(^_-)-☆」と店員さんも笑顔。

 

不動産屋さんへの道を教えてくださったおまわりさんにもご挨拶して、「私、この街に住めることになりました!」と言ったら、「それはよかった!おまちしていますよ♪」と笑顔で挨拶をしてくださいました。こんな優しいおまわりさんたちだったら、きっと安心して、穏やかに暮らせるに違いありません。

 

ウキウキと、晴れ晴れと、心浮き立つおもいでした。住む人たちがみんなとても品があり、やさしく、おだやかで、気遣いのこまやかな方々ばかり。

 

「あなたをこの街に歓迎しますよ!」と、みんなに言われて、すっかりハッピーな、わたしです!!!

 

ただいまハンス・ロットの交響曲第1番の、第4楽章の壮大なフィナーレを聴いています!

ハンス・ロットは絶対に気がくるっていたはずがありません!きっと人生でいちばん幸せな瞬間をかみしめて、この曲を作ったに違いありません!こんなすばらしいメロディー、天からふってきたら、そりゃ幸せにきまっています!

 

私もとっても幸せです!!ありがとう、みんな!