持続性ある幸せな暮らし方を考える〜④地域の気候に則した家とは?〜 | たかつき通信・新築・リフォーム・不動産・耐震診断・耐震補強・古民家再生・太陽光発電、自社大工の株式会社高月工務店・山口県田布施町

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自分が住みたい地域選びが終わったら、その地域に相応しい家づくりを考えましょう。


新築の場合は高性能住宅に無敵感がありますが、地域性などの諸条件を考えずに性能にこだわり過ぎるとオーバースペックになって、初期コストがかかりすぎるデメリットもあります。

更に、コストのことばかりに気を取られると、様々な設備機器で増し増しになって、その後のメンテナンスコストがとんでもない価格になることまで考えられます。


田布施は瀬戸内海に面した温暖な地域ですから、その特性も生かしながら家づくりをするポイントについて見ていきましょう。


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気候条件をを最大限に生かす手法としても認知が高まってきたパッシブデザインという考え方があります。



太陽に素直な設計とは、言葉のままですが太陽を効果的に生かす家づくりのこと。
室内が暑くなる夏場では日光の熱を家に取り入れず涼しく、冬には取り入れて暖かくしようという事です。

一見、そんな事が出来るのかと思われがちですが、これを実現するのが窓の上についている庇(ひさし)です。



太陽に手をかざしたら暖かいように、太陽の光があたる所は放射熱という熱を発します。その仕組みから、太陽の光は多くの熱エネルギーを生み出します。

太陽の南中高度は、夏には高く、冬には低くなります。ということは、窓の上に庇を付けると、南中高度の高い時は窓際が影となり、低い時には庇を避けて部屋に光が差します。



そのため、夏には熱を取り入れず、冬には太陽の力を借りて室内を暖めるという事が出来た訳ですね。


この様な知恵は、元来の日本建築には備わっており、古い家には当たり前のように庇が付いています。
逆に、最近の新築住宅に庇が取り入れられていないのは、コストカットを図るため。

そう考えると、中古住宅もモノによってはポテンシャルを秘めているともいえるんですよね。




建物にも実は昔から地域性があって、我々が見慣れているこの、下は焼杉、上は漆喰の家のつくり方は中国地方でよく見る仕様ですよね。

※中本造林さんのホームページより拝借

温暖で多湿地域である瀬戸内のエリアは、外壁が水に強く、シロアリなどの食害にも耐えられなければなりません。
そうしたシチュエーションにおいては、焼き杉はとても性能が高く、好んで使用されました。
漆喰と併せ、自然素材でありながら火に強く、この地域にとっては理想的な建材であったといえます。

先程の日光から受ける熱についても、ある程度隙間のある構造は熱を外に逃し、安定した温度を宅内で実現できるものでした。
今の住宅では、外からのあらゆる影響をシャットアウトするために、様々な箇所に気密を設ける事で、この熱の排出のためにわざわざ通気層を設けなければならない仕様となっています。


日本で高性能住宅の基準として一定の仕様を定めている長期優良住宅においても、気密性は内側を高く、外を低くすることで防湿を促すことや、家の躯体を露出させ、軒の幅を取ることを耐久性ある構造とする事など、古い家の仕様が理に適っていることもちゃんと示されています。


こうした面にちゃんと目を向けながら、どんな家が本当に過ごしやすいのか、人生を豊かにしてくれるのか、考えて、次世代に受け継いでいくこともとっても大事なことなんではないかと思うんですよね。



※以前ご紹介したSwitchBotにて、庭に百葉箱を作成しました。一定のデータが取れたらまた分析結果をご紹介させていただく予定です。


完全無欠の高性能住宅が取得できればそれが一番いいかもしれませんが、地域性をしっかり分析して、気候にかなう適切な家づくりを目指すこと、
理に適った作りとなっている中古住宅を取得することなど、先週までの様々な要因を加味しながら、自分の理想の暮らしに適合する家を見つけることは、持続性ある幸せな暮らし方にとっても大切なことですね。


地域特性を理解して、その気候風土に合った家づくりが出来れば、それは地域で長く使われる、地域にとっての財産となります。
そこに関わる人は勿論経済的に豊かになりますし、自治体も自力がついて、魅力あるまちづくりを後押しすることに繋がります。ドイツなどを中心に、先行事例もたくさんありますね。


田舎では各種データが乏しいのがたまにキズですが、その辺りを補う方法なども考えながら、
みなさまの暮らしが少しでも豊かになるように研究していきたいと思います。
みなさまの暮らしの手助けになりましたら幸いです。



それでは、また来週お目にかかります。 
みなさまの暮らしが、いつも安全で快適なものでありますように🍀