今日の本命ニュース。
アホなことは最初から分かっていたが、少しは上手くやるものだと思っていた。
が、まさかココまでアホだったとは…もう言葉が無い。
国債増やさぬ、抑制に努めると鳩山代表強調
民主党の鳩山代表は23日のテレビ朝日の番組で、衆院選で政権を獲得した場合、2010年度予算編成での国債発行額について「増やさない。増やしたら国家が持たない」と述べ、抑制に努める考えを強調した。
鳩山氏は、長期債務残高について「これほど増やしておきながら、この程度、国内総生産(GDP)が戻ったと喜べる話ではない」と政府・与党の財政運営を批判した。
09年度の新規国債発行額は補正予算を含め44兆円に上っており、これを上回らないとの考えを示したものだ。
こんなアホをまさか9月の経済サミットに送り込むつもりなのか?我が国民は…
ダホス会議でも「今必要なのは財政支出だ」と世界的に合意したのに…
大恥では済まないぜ?
「日本は緊縮財政で頑張ります!」
ってどこにそんな国があるんだか(財源が無くて困っている国なら沢山あるが、日本は後で書くが財源は十分にある)
では、どこが間違っているのかを解説しよう。
>2010年度予算編成での国債発行額について「増やさない。増やしたら国家が持たない」と述べ、抑制に努める考えを強調した。
「増やしたら国家が持たない」の根拠はどこにあるのかな?全然示していないが。
これが「(外貨での国債発行を)増やしたら国家が持たない」ならまだ分からない話でも無い。
この場合は一度自国通貨を外貨に両替しなければならない為、資金繰りが上手くいかないと破綻する可能性がある(アルゼンチン、ロシア、韓国、アイスランドはこのためにデフォルト(≒財政破綻)した)。
しかし、日本の場合は全部が「自国通貨建て(つまり円建て)国債」である。
この場合、(極端な話であり、実際にやってしまうとハイパーインフレになる可能性もあるが)日本政府には通貨発行権があり、日本銀行に命令さえすれば札を刷って返すという荒業が効く。あくまで「カネ詰まり」を起こさない限り、破綻などあり得ないのだ。そして日本円で発行している以上、カネ詰まりが起こる心配は全く無い。
さらに、破綻寸前の国家の国債なら、当然金利を上げない限り買い手など見つかるはずがないと思われるかもしれないが、このデータを見てそれが言えるのなら正直頭が悪いと申し上げざるを得ない(一度出したことのあるデータだが、説明のためにもう1回出しておく)

一番下が日本の(10年もの)国債金利だが、低空飛行のまま推移している。
これはつまり、「買い手はいくらでもいる」ということに他ならない。
どう考えても「破綻寸前国家」の国債金利では無いと思うのだが…?
で、一体この国債、どこが買っているのか?
次のデータをご覧頂きたい。
国債の保有者別内訳(さすがに無断で画像を借りるわけにはいかないのでリンク先でご確認を)
日本の場合、外国人の保有はわずか約7%しかない。
しかも、彼らとて一度自分達の通貨を「円」に換えないと保有出来ないのだ。
他の国と比べれば一目瞭然だろう。ほとんどを日本国内だけで処理出来ているのだ。
さらに、買っている連中の顔ぶれを見てもらいたい。
一番多いのが「民間銀行」、次が「生損保」、その次が「公的年金」である。
これはつまり、我々の預貯金や保険料、年金保険料などから出ているのである。
銀行にせよ損保にせよ年金にせよ、何故国債を買うのだろうか?
それは「安定した運用先が国債ぐらいしかない」とも言えるのだ。
世界はサブプライムローン問題などで混乱に陥っており、到底安定した投資先など簡単には見つからない。
日本国内に関しても株なども上昇傾向はあるものの、安定した投資先とは言い難い。
そんな状況では「国債」ぐらいしか「安定した投資先」が無いのだ。
で、その国債を買う原資だが、我々の金融資産が使われることになるのだが…
また以前に出したデータだが、ご覧頂こう。

個人の金融資産だけで1490兆ある訳だが…アメリカと比較してみると違いが良く分かるのでご覧頂きたい。
(データは2008年末現在のもの)
2008年12月末時点 日本・アメリカ 家計金融資産
何と日本は世界一金融資産がある(はずw)のアメリカよりも現金・預金を持っているのだ!
そしてこのお金が中々動かないことが現在の不況状態を呼んでいると言っても過言ではない。
(詳しくは三橋氏のブログをご参照を)
つまり、この我々の現金・預金を国債という形に変える事によって政府がお金を作っていくと言うことなのだ。となれば国債とはあくまでも政府のお金の調達法の一つでしか無い訳である(やや誇張した表現だが、分かりやすくするために敢えてこういう表現にさせて頂く)。
では何故政府はこういう形でお金を調達して支出しなければならないのか?
次の動画でご確認頂きたい。
GDPの仕組みを簡潔に説明した動画だが、補足しておく。
GDPはこういう式で表される。
民間消費+民間投資+政府支出+純輸出=GDP
上の動画では民間消費が「家計」のタンクから出る水、民間投資が「企業」のタンクから出る水、政府支出が「政府」のタンクから出る水と考えればよい。で、この不況下では動画でも説明があったとおり、「家計」と「企業」はタンクから出る水の量を減らす(=支出を減らす)ため、政府が出す水の量を増やさない限り(=支出を増やす)、GDPの成長は見込めない。
ちなみに動画では説明が無かったが、実際にはタンクから出る水の量(=支出の規模)に関しては差がある。日本で一番太いパイプ(=支出規模が一番大きい)なのは「家計」のタンクなのである。
(このデータを参照。ちなみに大まかに書くと「民間最終消費支出」が「家計」、「民間住宅+民間企業設備」が「企業」、「政府最終消費支出+公的固定資本形成(≒公共投資)」が「政府」と置き換えて欲しい)
最終的には「家計」の部分からでる水の量を増やせば(=支出を増やす)、当然プールに貯まる水の量は一気に増えていく。だが、今はこの部分が弱いだけにまず「政府」が水を沢山放出して(=支出を増やす)まずは水を確保していくと言うわけである。その後で「家計」のタンクに入る水の量を増やして放出出来れば成長が見込めるということになるのだ。
(ちなみにこの動画の説明の場合、「国債」は「政府」と「家計」のタンクが繋がって「家計」から「政府」への水の放出をしていくものと考えて欲しい)
さて、この動画の説明にもあったが、鳩山代表がやろうとしているのはこの「政府」の部分を絞ろうということである。正直この不況下では「自殺行為」に等しいと言わざるを得ない。
しかも「家計」から「政府」へのパイプも小さくすると言っているのである。
それでどうやってGDPの成長を促すつもりなのだろうか?
まさか社会主義国家ではないので「家計からお金をジャブジャブ使え!」や「企業はどんどんと投資しろ!」とは命令出来る筈も無い。「成長戦略」というものが全く無いのであろう。
長くなってしまったが、次の間違いを指摘していこう。
> 鳩山氏は、長期債務残高について「これほど増やしておきながら、この程度、国内総生産(GDP)が戻ったと喜べる話ではない」と政府・与党の財政運営を批判した。
確かにあれだけの財政出動をしながらこの程度の結果か?と言うことは出来るかもしれない。
参考:4─6月期実質GDPは5四半期ぶりのプラス(ロイターの記事が一番優秀と思ったのでコレをご参照を)
(余談だが収監されてしまったミラーマン(植草一秀)は「この程度の成長しか出来なかった政府など無能だ」とのたまったそうだ)
しかし、逆を考えられないのだろうか?
「コレだけの支出をしていなかったらこの成長は無かったのでは?」と…
余程想像力が無いと申し上げるしかない。
それにこういうことを言うのであれば、
「我々の場合はこのようにしてGDPを上げていきます!」
という指針を示してもらいたいのだが…少なくとも自分はその手の話を聞いたことが全く無い(聞いた事がある方は是非ともご一報を)。
本当にこのお方はただ一般大衆(マスゴミに毒された大衆と言うべきか?)に受ける言葉だけを並べてその場限りで凌いでいく情けない政治家という感想しか抱けない。しかし、そんな男を首相にしようとしている日本国民の程度も結局はこの程度の教養しか備えていないと言うべきなのか…正直最近頭痛気味である。
これだけ書いてかなり疲れた。何か思い出したら又追加します…