天下りに関する権丈氏の考え | todo08の雑記帳

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…多分かなりリニューアルするはずw

以前にも紹介した権丈善一氏の本を読んでいたら天下りに関するお話が載っていました。
どう考えられるかは皆さんにお任せしますが、個人的にはかなり鋭い見方かな、と思っております。
以下、ちょっと長いですが、そのまま載せます。


 天下りというのは、研修医がアルバイト先の民間病院から高給をもらっているような側面をもっています。日本の国家公務員も、退職までにちゃんと彼らの仕事の大切さ大変さに報いた給料を払わないから、ああいう天下りのような制度が生まれ定着したのでしょう。改革の本筋は、退職まで公務員が働くことができるような制度にして、彼らが悪さをしないように経済学のいう効率賃金-彼らの限界生産力よりもわずかに高い生活-を保障し、天下りに頼らずとも、彼らの老後にちゃんとした生活(the decent life)が保障されるようにすることではないかなと僕は思っています。
 今の霞ヶ関では、トップが変われば、チームを機動的にするために、異動だけでなく勧奨退職、いわゆる「肩たたき」という手段を含めた人事も行われています。こうした制度がスムーズに機能するためには、民間企業の「出向」にも似た「天下り」制度というのは、ある面必要な部品として機能していると言うこともできる。こういう事情をおかまいなしに官を叩くばかりだと、現役官僚の士気が落ち、新規参入者の質が落ちるだけなんじゃないですかねぇ。



↓のP.155-156から抜粋
医療政策は選挙で変える 増補版―再分配政策の政治経済学4/権丈 善一

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