オール・シングス・マスト・パス その1
ジョン・レノンのことを書いているうちに、過ぎてしまいましたが、
11月29日はジョージ・ハリスンの命日。
もう8年も経つんですね。
ジョージといえばコレ、 「オール・シングス・マスト・パス」。
レコードは3枚組の大作です。
↓01年に出たニューセンチュリー・バージョン。
このアルバムにはちょっとした思い出があります。
昔、サンモールの5階に、ヨシダという中古レコード屋がありました。
紙屋町界隈に行った時には、必ず寄っていたのですが、
ある日、ジョージのこのレコードが、1500円という超買い得値で並んでいるのを発見。
今なら躊躇なく買うところですが、なにしろ貧乏な中学生。
財布には1千円しかありませんでした。
あきらめきれず、せめて手触りだけでも、と手にとって眺めました。
さすが3枚組は重い!
あの重量感は、いまだに覚えています。
で、2日後 (郊外に住んでいたので、すぐ次の日にというわけにもいかず)、
1500円持ってヨシダへ。
な、ない!
おじさんに聞くと、「残念じゃったねえ。昨日、売れたよ」。
顔面蒼白になり、「嘘だと言ってよ、ジョージ!」と(心の中で)叫びました。
今にも雨が降りそうな空の下、
はるばる自転車をこいで来たのに、
手ぶらで帰りたくはない。
泣く泣く、同じ値段で並んでいた「ジョンの魂」を買って、帰ったのでした。
(先日の記事の写真がそれです)
「ジョンたま」でも良かったじゃん!
と、今なら言えますが。
その時は、あの3枚分の重さが忘れられず…
「ジョンの魂」が、とても軽く感じられたのでした。
実際に「オールシングス・マスト・パス」を聴いたのは、それから数年後。
あの日、買ったのはジョンの方でしたが、
ジョージのこのアルバムを聴くと、
小雨に打たれながら、中央公園を走った帰り道を思い出します。
平田タカトシ