6月21日

 

オオムラサキの蛹、終齢幼虫のビデオ撮影のため、栃木県北部へ行きました。しかし、今年は少ないのか、蛹も幼虫も見つかりません。

 

諦めて、お茶を飲み、休憩していると、目の前に溜池があることに気づきました。「んんん?」

 

池の縁のヨシの湿地に足を踏み入れ、歩いて回ると、なーーんと!!

 

植物名は分かりませんが、キク科?の草の頂点部にオオルリハムシの赤色型がいるではありませんか!!

落ち着いて周囲を見渡すと、やはり同じ草の葉の上や、ヨシの葉、あちこちに静止個体がいます。

 

あれ、でもシロネがないよ??

 

いやいや、よく見ると、シロネの丈は50㎝くらいで低く、他の草にまぎれて見えにくくなっているのです。丈の低いシロネで、葉を食べている個体も見つけましたが、

 

ほとんどは、先ほどの種名不明の草やヨシの高い位置に静止しています。

交尾個体もいました。

東北のオオルリハムシは、名前のとおり、瑠璃色=青色をしていますが、宮城県南部から関東平野のオオルリハムシは赤い色をしているのです。

 

しかも、関東平野の赤いタイプは、狭い溜池や湿地に点々と生息するので見つけるのが難しいのです。

 

逆に今まで見てきた下北半島や秋田の鳥海山麓などの巨大な産地では、全面がシロネだったり、ヨシ原と縁にまとまって生えています。そのため、この時期、シロネも高く成長し、湿地に足を踏み入れなくても、道から眺めているだけでも、シロネを見つけやすいのです。

 

私が、大学院の頃、チョウ仲間と栃木県那須町常民夕狩のカシワ林にハヤシミドリシジミやウラジロミドリシジミの幼虫を探しに行ったことがあります。

 

甲虫屋の後輩もいて、彼はすり鉢状の地形のカシワ林の底部で、目ざとくシロネの若い株を見つけました。

彼が、「夏になったらオオルリハムシがいるかもしれない」と予想したとおり、そこではオオルリハムシの赤色型が多数いました。

 

その時、「北関東のオオルリハムシの生息地はこんなに小さいのか」と驚いたのを今でも憶えています。

 

この日は、東北とは違う赤いタイプのオオルリハムシの違う、違う生息地のタイプも知ったし、良い写真、ビデオも撮れ、満足して帰路につきました。(^_^*)