く、くだらねぇ! だから大好きです。 「インスタント沼」 | てるてるの小屋

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「インスタント沼」

2009年公開の作品、てるてる大賞を最後まで争った作品です。

主演は、麻生久美子さん。いろいろなイメージの役をやっていますが、今回は恐ろしい役。

何しろ、テンションが高い! きっと、「シオシオミロ」のせいだと思います。

 

出版社で雑誌の編集をしている沈丁花ハナメ(麻生久美子)さんは、何をやってもイマイチ、ジリ貧だ。というより、ドロ沼に沈み込みそう。

母親の翠(松坂慶子)さんは、「あんたはいつも5秒ずれてる」といいます。この日も、翠さんが庭の河童を見つけたのに、ハナメさんは見逃してしまう。

というか、ハナメさんは心霊現象とか、オカルトはまったく信じない。占いも信じない。

それでも、自分がジリ貧なのは、昔、沼に沈めた黒い招き猫のたたりじゃないかと思っています。

編集長をつとめる雑誌は廃刊、解散の飲み会でキレてヌンチャクを振り回し頭部直撃で大ケガ、会社を辞め、人生をリセットしようと部屋にあるもの全て売り払おうとしますが、業者のもったいないおばけ社の3人組にもバカにされる。

かわいがっていたペットのウサギに相手を見つけてやろうと、USA牧場に行きますが、自分のペットがどれだかわからなくなってしまう。

うちひしがれるハナメさんに追い打ちをかけるように、母親(松坂慶子)が沼で溺れ意識不明に。

どうやら目に見えないものを信じようとしないハナメさんを心配して、沼に河童を捕まえようとしたらしい・・・。

病院の看護婦さんがちょっと困った人。

さらに、その沼を捜索したところ、郵便ポストが発見され、大量の郵便物の中に母親が投函した手紙があったというのです。

その手紙には衝撃的な事実が!

ハナメさんの父親は、昔出ていった父親ではない?!

ハナメさんは、手紙の宛先の沈丁花ノブロウという遠い親戚にあたる男を訪ねることにしましたが、どうやら一族の鼻つまみ者だったらしい。

もしかして豪邸?!と夢見ていたハナメさんが訪ねた先は、「電球商会」という怪しげな店で、そこにはさらに怪しげな沈丁花ノブロウ(風間杜夫)がいました。

こ、これがわたしの父親なの?!

この男との出会いが、ハナメさんの人生を変えていくのか・・・?

ハナメさんは、彼から沈丁花家に伝わる「蔵の鍵」を100万円で買わされます。所持金が100万円なところは、「苦虫女」ですが、宝物にしていた「折れ釘」を高く評価してもらい、有頂天です。

ハナメさんは、どんな宝物を手に入れることができるのでしょう?

ハナメさんは、幸せになれるのでしょうか?

 

もう、これでもか、これでもかと笑わせてくれます。

母親の翠(松坂慶子)さんが貫録たっぷりにボケる。

わが道を行く性格の沈丁花ノブロウ(風間杜夫)さん。

ということは、ハナメは「蒲田行進曲」の時の赤ん坊?!

パンクなのに、健全で、いい人で、電気屋なのにガス(加瀬亮)さん。

 

「人生うまくいかない時は水道の蛇口をひねれ!」と、高らかに宣言するハナメさん。

うーむ、ジリ貧だと思う人は、この映画観るべし、元気になれます。

 

本編のディスクには、楽しい楽しいオーディオコメンタリー、特典ディスクにはメイキングビデオがあるのですが、特筆すべきは、「インスタント沼 完全攻略本」。

これを読めば、「インスタント沼」はおまかせ!ですね。

冒頭に、すごいテンポのカットが続くのですが、約2分間の間に106カット積み重ねられています。全部麻生久美子さん出ています。「くだらねえ!」に命を懸けています。

何回か登場するポスター「R-20 タブレット」の意味は?

「おでんマシーン」

カンフー居酒屋のポスター

などなど。

く、くだらねえ! だから大好きです。

 

この作品で初めて三木聡監督と出会い、さかのぼって「時効警察」や三木監督作品を観まくりました!

「転々」という作品で、三浦友和さん演じる福原さんが、何気なくテレビを見ていると、「五反田駅前にやってきました!」と、跳び箱をとぶ娘たち、「跳び箱モーニング」です。

「インスタント沼」でも、五反田駅前に登場しました! 「輪投げモーニング」・・・、さすがに、ハナメさんはテレビを消してしまいます。

ふせえり&岩松了など、なじみのメンバーがぞろぞろ登場して、味を出しています。

リサイクル業者「もったいないおばけ社」の3人組・東(村松利史)、大谷(森下能幸)、川端(松重豊)。実にあやしい。「亡国のスパイ」の匂いがする・・・。どうやら惚れた弱みで、スパイに引きずり込まれちゃった男もいるようだ。東さんが、ハナメさんに「オレ、あいつ嫌いなんだ」と耳打ちするのが、しょっちゅう鴨居に頭をぶつける川端さん。でも本当は、泣きながらうまいラーメンをすすりあった仲なのに・・・。

話は尽きません。

寄り道、道草が好きな人にお勧め。