大林宣彦監督ありがとうございました❗(14)「その日のまえに」 | てるてるの小屋

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第14弾は、

「その日のまえに」
2008年製作、2008年「てるてる大賞」受賞作です。
重松清さんの原作は7つのエピソードが絡み合ってきます。大林監督は、これをすべて網羅させ、さらに宮沢賢治を織り込み、主人公の名前まで変えてしまいました。
その経緯は、特典DVDで大林監督が2時間にわたり語り続けたお話しの中にありますが、原作を読んで感動した大林監督は映画化したいと思い、重松さんに手紙を書くと近所だったので、切手代わりにイラストを描いて直接事務所のポストに投函したそうな。
当時この作品には11社から映画化のオファーが寄せられていたそうでしたので、インディーズ監督の本人はすっかり諦めかけていたのですが、重松さん本人から会いたいと連絡があったとのこと。
この作品をお涙頂戴の映画にしてはいけないと考えていた大林監督と重松さんの思いが一致し、映画化を託されたのでした。
3年後に映画化しましょうということになり、大林監督は、市川森一さんに脚本を依頼しましたが、その条件は7つのエピソードを全部盛り込むこと。
市川さんからあがってきた脚本を読んだ大林監督は途方にくれましたが、市川さんが盛り込んだ宮沢賢治がどんどん膨らみ、ついにはヒロインの名前を賢治の妹・とし子に変える羽目に。
主演に起用された南原清隆さん、永作博美さんにいきなり「明るく演じてください」と言われ大いに戸惑うふたり。
こうして出来上がった作品は、とんでもない作りながら、重松さんが書きたかった思いに応え、原作を見事に映画化しました🙋
 
翌日入院する峰岸徹さんの自宅に撮影機材を持ち込み、文字通り「遺作」としました。
素晴らしい作品に乾杯ですね❗