第32回東京国際映画祭「花筐/HANAGATAMI」 反戦映画三部作の集大成 | てるてるの小屋

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第32回東京国際映画祭「花筐/HANAGATAMI」

大林宣彦監督の旧作の3作目は、2017年公開の前作。
製作開始直前に肺がんが発覚し、余命半年を宣告されてしまった大林監督が「遺言」として作り上げた作品。
3回目となります。
檀一雄さんの「花筐」を映画化したいという監督の想いは、デビュー作よりも前に脚本を書いていたので、40年越しで実を結びました。
すでに中国での戦争が本格化し、米英への開戦間近の状況で、世の中は戦争の深みにはまっていきます。そんななかで若者の心は?
唐津の大学予科に学ぶ若者たちの青春を描いたこの作品では、主人公の榊山俊彦(窪塚俊介)が両親が暮らすオランダからやってきた青年、はつらつとしているが、横笛を吹き、若さ強さをもて余しているような鵜飼(満島真之介)青年、4年前まで寝たきりだったニヒルで虚無僧のような吉良(長塚圭史)青年、喘息持ちでひょうきんに振る舞う阿蘇(柄本時生)青年が登場します。
俊彦青年のいとこの江馬美那(矢作穂香)さんは結核で余命わずかな存在、美那さんの叔母圭子(常盤貴子)さんは夫の妹を看取るように世話をしています。美那さんのクラスメートの千歳(門脇麦)さんは吉良青年のいとこで鵜飼青年の恋人、あきね(山崎紘菜)さんは不良に憧れながらもひたすら千人針を作っています。
戦争の中で生き残れるのか?戦争の中で燃やす青春・・・。
大林監督の反戦映画三部作の集大成というべき作品となりました。
役者たちが素晴らしかったですね🙋
 
映画上映終了後のQ&A
この日も、大林監督は体調不良で残念ながら欠席でしたが、常盤貴子さんが登壇しました。
前作「野のなななのか」で、念願の大林映画出演がかなった常盤貴子さん、大林監督の撮影現場にはマネージャーを連れてこないという話があって、それは女優の衣を纏うのではなく、役者個人を活かしたいとの監督の思いがあるようだ。
 
MCの方から「花筐」の圭子おばさまは、「HOUSE/ハウス」の屋敷のおばちゃま(南田洋子)に通じるものがあるのでは、と語られると、常盤さんは実は監督に話してなかったけど、自分もそう思っていたと応じていました。