豊洲のららぽーとの中にある、ユナイテッドシネマ豊洲で、新作映画のはしごをしました。会員は金曜日1000円であります。
1.「武士の献立」
こういう「柳の下のどじょう」的タイトルは、うんざりで、げんなりで、がっかりです。愛が感じられません!やっつけ仕事?!胡散臭げでもあります。算盤の次が包丁?じゃあ、次は「爪楊枝」か(なんで?!)などと、毒づいたりしております。
わたくし的には、パス!なのですが、ふぁろうさんが勧めているようなので、観ることにしました。
時代は江戸時代、加賀100万石の前田家。「清須会議」ではおやじ殿についた前田利家さんは、秀吉さんとは長屋時代の隣同士だったとかで、賤ヶ岳の合戦では戦いに加わらず、5大老のひとりとして頑張り、利家さんの死後は息子が徳川家康の東軍に与したので、外様大名として家を守ることができました。
とは言うものの、隣の福井には結城松平が配置され、いつ取り潰しの言いがかりがつけられるか、気遣い休まらぬ状況だったのでしょうな。
6代藩主前田吉徳さんの側室・お貞の方(夏川結衣)に仕える女中・春(上戸彩)さんは、浅草でも評判の料理屋の娘だったのですが、幼少の頃奉公に出ている時に火事で家族を失い天涯孤独の身。それでも、母親仕込みの料理の腕前を発揮し、お貞の方に可愛がられてきました。
春さんは、商家に嫁いだのですが、勝ち気な生活からか離縁された出戻り娘でもあります。
ある日、江戸屋敷の宴席で、藩内屈指の料理人である台所方の舟木伝内(西田敏行)さんが「鶴もどき」の汁椀を用意します。お殿様はいたく満足し、皆に「具材の中身を当てよ」と問いかけます。
出される答えに首を振り続けてきた伝内さんでしたが、お貞の方から正解が。
聞くと女中の春さんが具材のみならず、出汁に至るまで見事当ててしまったのでした。
すかさず、お貞の方のもとに縁談話が。伝内さんの跡取り息子の安信(高良健吾)さんの嫁にとのこと。
でも、春さんは断ってしまいます。
めでたし、めでたし・・・ではないが、続く
数日後、春さんのもとを訪ねてきた伝内さんは、見知らぬ草を持参し、これをどう料理したものか教えを乞いに来ました。

春さんは、これは八丈島の「あした葉」であると説明し、おひたし、天ぷら、汁物と次々に調理してしまいます。
感動して、伝内さんは再び舟木家への嫁入りを手をついて乞い求めるのでありました。
実は、代々「包丁侍」の舟木家では跡取りの長男が流行り病で亡くなり、次男の安信さんが跡を継ぐこととなったが、元々剣術に明け暮れていたため剣への未練が断ち切れず、包丁侍としては未熟とのこと。春さんが安信さんを指導し一人前の包丁侍に鍛え上げてほしいというのであります。
土下座までされちゃったら断れません。そこまで言われたならと、春さんは嫁入りを決意し、遠路金沢まで徒歩での嫁入りです。
伝内さんの妻の満(余喜美子)さんは温かく迎いいれ、早速祝言となりましたが、4歳年下の当の安信さんはあまりその気がありません。
すぐに舟木家の料理をはじめた春さんに、みんなは驚き、料理に感心しますが、安信さんは上の空。

舟木家で親戚方に料理を振る舞い、その出来映えを吟味する「饗(あえ)の会」が催されましたが、安信さんの料理はぼろかすに貶されます。二の膳の汁椀の出来映えをみて、春さんはこっそり作り替えてしまいますが、これが大絶賛!
会の終了後、怒り心頭の安信さんに「古狸」と罵倒されますが、包丁侍を卑下するような物言いに、春さんがキレます!
「つまらないお役目だと思っているから、つまらない料理しか作れないのではありませんか?!」
そして、春さんは夫に包丁比べを挑みます。負けたら離縁です。

勝負は春さんに。それ以来徹底的にしごかれた安信さんは、めきめき腕をあげ、昇進することになりました。

ところで、安信さんの幼なじみで、剣術道場の師範である今井定之進(柄本佑)とその妻佐代(成海璃子)と知り合いになりましたが、口の軽い満さんはかつて安信さんと佐代さんが許嫁に近い関係だったことをしゃべっちまいます。
ここから、話は思いもよらぬ展開になります。「加賀騒動」です。
6代藩主吉徳のもとで抜擢され、藩の財政改革を推進していた大槻伝蔵(緒方直人)さんは、保守派の重臣たちに対抗して、改革派を糾合しようとします。今井さんも彼に心酔し、定信さんもその会合に参加しておりました。
ところが、吉徳さんが亡くなると、前田八家老の一人前田土佐守直躬(鹿賀丈史)が新藩主に大槻さんの弾劾を直訴します。
これ以降、大槻さんは失脚し流刑となり、改革派も一網打尽に。今井家もお取り潰しとされてしまいます。
さらに、7代藩主が急死し、8代藩主となった重熈さんの毒殺未遂事件が発生すると、お世継ぎ問題がらみでお貞の方(仏門に入り真如院)に容疑がかかってきます。
お家騒動の嵐が舟木家にも・・・。
あとは映画館で観てね♪


いやいや、こいつは素晴らしい。「てるてる賞」ですな。