「ゲゲゲの女房」 「話が違う・・・」という言葉をこらえながら、悪戦苦闘 | てるてるの小屋

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久しぶりに映画を観ましょう。
ユナイテッドシネマ・としまえんで、「ゲゲゲの女房」を観ました。
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水木しげるという漫画家は、妖怪漫画で有名ですが、神秘家列伝とか、自らの戦争体験をもとにした戦記ものの作品もいくつか書いています。
自伝漫画として、「私はゲゲゲ ―神秘家水木しげる伝―」がありまして、この作品を読み終わったばかりでしたので、実にタイムリーな映画公開でした。
 
水木しげるさんは、鳥取県の境港で生まれました。
鳥取県と島根県は隣り合っているのですが、県境は、米子市と安来市のところと、境水道をはさんで境港市と美保関町と、変わった地形をしています。
ところで、水木さんの本名は「武良茂」さんですが、なぜ「水木」をペンネームにしていたのでしょうか?
1.南方の戦場で九死に一生を得た茂さんは、その自然を忘れられず、「水」と「木」を名前に付けた。
2.「水木荘」というところに住んでいたので、そう名付けた。
3.仕事は、週の2日だけ(水曜と木曜)と決めていたので、その思いを名前に付けた。
4.庭に咲いていた花水木(ハナミズキ)が好きで、ペンネームにした。
 
脱線しましたが、茂さんと結婚した布枝さんは、島根県安来市生まれ。彼女が書いた自伝エッセイの「ゲゲゲの女房」が大ヒット、NHKのドラマも好評だったようですね(すまん、観てません)。
 
「安来節(どじょうすくい)」で有名な安来市の実家の酒屋の手伝いをしている布枝(吹石一恵)さんは29歳。30を前に見合い話が舞い込みます。
相手は、10歳年上の「武良茂(宮藤官九郎)」さん。境港市出身だが、東京で漫画家をしている。戦争で片腕を失っているが、生活は安定しており、軍人恩給も出ている、とのこと。
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見合いから5日後に結婚をして、相手のことをなにも知らないままに、東京に出てきた布枝さんは。新婚生活を送る家に入ってびっくり。
見るからに、貧しげなおうちの2階には、知らない人が住んでる(絵描きの金内さん)。
米櫃にコメがない。
仕事を始めている茂さんにそのことを告げると、茂さんはやにわにレコードプレ-ヤーを持って出かけてしまいます。
途方に暮れていると、米屋さんが溜まったつけを払えと言ってくる。
引出しをあけると、「質札」が一杯。
自転車を受け出してきた茂さんは、「貧乏で命を取られるわけではない。ハッハッハ」と笑い飛ばします。
恩給は、すべて両親に振り込まれており、原稿が仕上がれば「3万円」貰えるというものの、受け取ってきたのは、5000円しかありません。
貸本業界が斜陽であり、「暗い」水木しげるさんの作品は人気がないようなのです。
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「話が違う・・・」という言葉をこらえながら、布枝さんの悪戦苦闘が始まりました。
金がないならと、道端の草や、パンの耳。
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でも、金内さんは家賃を払ってくれず、茂さんの母親(南果歩)が現れては、口うるさい。さすがにキレそうになります。
そこはかとなくユーモラスな茂さん。痛んで売り物にならなくなったバナナを50円で買ってきます。布枝さんは漫画の仕上げを手伝いながら、原稿料の値切り阻止に奮闘します。
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とうとう出版社が倒産し、にっちもさっちもいかなくなったときに、妊娠してしまいます。
「救いの神」のような雑誌社の原稿依頼の話も断ってしまいます。
 
貧しいけれど、夫の仕事、才能を信じ、支えあうふたり・・・。
目に見えるもの、見えないもの、妖怪はそこいらにもいます。
今日も、柱時計のねじを巻きます。
 
なんか雰囲気のいい作品ですね。