さて、第4集は、「大量絶滅 巨大噴火が哺乳類を生んだ」です。

【あらすじ】
2億5000万年前、生物の95%が死滅した大量絶滅が起こった。最も被害を受けたのは、私たちの直系の祖先である哺乳類型爬虫類だった。スーパープルームによる史上最大級の火山噴火で、二酸化酸素が増加。海底のメタンハイドレート融解で発生した膨大なメタンガスが、温暖化と低酸素状態を引き起こした。呼吸効率の改善のために横隔膜を進化させた私たちの祖先は、胎生で子どもを生み、母乳で育てる哺乳類独自のシステムを作り出す。
陸上に進出した動物たちは、1億年をかけて多様に進化し、「哺乳類型爬虫類」(卵生だが、現在の哺乳類にとてもよく似た形態をしていた動物)が地球上を支配しました。私たちのご先祖様は、「キノドン」というイタチのような体調50センチほどの動物でした。数1千万年後に登場する恐竜の祖先である「双弓類」は小さなトカゲのようで、この当時はひっそりと暮らしていたようです。
ところが、2億5千万年前を境として、その当時の生物の実に95%が死滅するという大量絶滅が起こってしまいました。そのきっかけは何でしょうか?
1.太陽の大爆発。
2.全球凍結の再来。
3.超巨大隕石の衝突。
4.巨大噴火。
いかん、タイトルに書いてあった!
西シベリアの地下深くで発見された巨大な溶岩の塊はヨーロッパまで拡がる広大なものでした。
3億年に出来上がった「パンゲア」と呼ばれる巨大大陸の周囲には深い海溝ができており、地殻が落ち込んで行きました。落ち込んだ大量の岩石が地球内部の核に達した時、怒った核は「このやろ!」と、直径1000㎞もの巨大な一撃を地上に放ちました。「スーパープルーム」と言われるその地下からの一撃は地球上に巨大な噴火をもたらしました。地球上は火の海となりました。
でも、これは悲劇の序章にしかすぎませんでした。
この大噴火によって温度が上昇したために、地下深くに眠っていた「メタンハイドレート」(メタンガスが高圧により固体化したもの)が溶けだしたのです。
このことで発生した膨大なメタンガスは、一気に地球の温暖化を促進しました。そして、ドミノ倒しのように、次々にメタンハイドレートの融解を引き起こし、さらなる高温化と、メタンが酸素と結び付くことによる低酸素状態が、実に生物の95%を死滅させたのでした。
大量絶滅をかろうじて生き残った5%の動物たちは、低酸素状態の地球環境の中で、生き残るための工夫と進化を図りました。
1億年をかけて、勝ち上がったのは「恐竜」たちでした。
その武器は、「気嚢システム」。低酸素状態でも効率よく呼吸できるシステムです。
これは、恐竜の子孫である鳥類にも伝わっており、そのため、ヒマラヤの上空を飛びまわることができます。
一方、私たちのご先祖様のキノドンさんは、ちっちゃなネズミのような形に姿を変えて、恐竜大繁栄の時代をひっそりと生き抜いていきましたが、ご先祖様たちも生き残るための工夫を行ってきました。
そのひとつは、キノドンの一族の「トリナクソドン」にみられる、腹のろっ骨をなくし、「横隔膜」を作ったということ。横隔膜を使うことにより、肺の呼吸効率を高めたこと、腹をひねることで、子どもへの授乳を容易にしたこと。
もうひとつは、卵から胎生への進化です。「エオマイア(黎明期の母)」という1億2500万年前の化石が中国で発見されています。恐竜全盛の時代に、胎生と授乳により、厳しい環境下で子孫を育てることができるようになりました。
荒ぶる地球のこれでもか、これでもか攻撃の中で、めげずに進化していくご先祖様たち。ついていけなかった者たちは絶滅を余儀なくされたわけですが・・・。
なるほど、なるほど物語ですね。
前回の答え:「3」「3」