「孤高のメス―神の手にはあらず―」 うーん、続編はいらなかったかも | てるてるの小屋

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大鐘稔彦さんの「孤高のメス―神の手にはあらず―」(幻冬舎文庫)を読みました。
「孤高のメス―外科医当麻鉄彦―」がヒットしたため、その続編をとの声に応えて書かれた続編です。
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その当時日本では認められていなかった、「脳死肝移植」を成功させてしまった天才外科医の当麻鉄彦さん。それを快挙ととらえず、激しいバッシングに見舞われる中で、己の信念を貫くため、母親を恩人と慕っていた台湾の王文慶さんの経営する高雄の博愛医院に、彼を慕う矢野医師とともに勤めることになった当麻さんは、彼の地で思う存分才能を発揮することになります。
 
一方、結果的に彼を追い出す形となった甦生病院の凋落は、これでもか、これでもか!島田院長も心労の末、アルツハイマーを発症。
博愛病院とて、安住の地とするには、暗雲が立ち込めてきました。
 
相変わらず、もててもてて・・・の当麻先生と、いつも片思いのまま恋に破れるかわいそうな矢野先生。
婚約を破棄されてしまった翔子さんは、一途に当麻先生を慕い、先生を慕う女性は増える一方。
 
ようやく、丸く収まるかと思っても、そうは問屋がおろさないぞ!というお話。
 
たぶん、作者はあれも書きたい、これも書きたい、ということがいっぱいあって、みんな盛り込んでしまったので、すごいことになってしまったので、後始末は冷淡。
あれほど、当麻先生を慕っていた江森京子さんへの仕打ちは・・・、何か恨みでもあるのかよ、幸せにしたれよう!と思います。
 
読んでいて、感じたのが吉川英治さんの「宮本武蔵」。みたいだなあ・・・。すぐれた武蔵さんの周りで、みんな不幸になっていくみたいな・・・。
城太郎と伊織みたいなところも・・・。
わたしは「バガボンド」の方が好きだぞう。
 
うーん、続編はいらなかったかも。
改めて、映画の脚本良かったねえ。と思いました。