「青い鳥」 過ちを繰り返さないことは、忘れないこと、ですね | てるてるの小屋

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DVDで、「青い鳥」を観ました。
前に映画館で観たときの記事は、次のとおりです。


映画に教えられることは、たくさんありますが、そして、考えさせられることもいろいろあります。

この作品は、いじめで自殺未遂をし、転校していった野口君という生徒ではなく、いじめに加わった、もしくは見て見ぬふりをしていた生徒たちをとらえています。

その事件によって、休職してしまった先生の代替教員として、赴任してきた村内先生(阿部寛)は、吃音で、生徒たちに馬鹿にされたりしますが、1日で、クラスの生徒の名前を覚えてしまう先生。
愛想も振り撒かないし、無口でありますが、その眼は相手をひるませます。そして、優しく見守ってくれます。

自殺未遂の原因がクラスの生徒たちによる集団いじめであることがマスコミに報道され、いじめに気がつかなかったという先生方、学校も、生徒への指導を徹底させ、学校は反省の上に、生まれ変わりました。
いじめの芽を摘むために、声なき声を取り上げようと、「青い鳥BOX」が置かれ、ようやく学校に平和な日々がやってきました。めでたしめでたし・・・なのでしょうか?

ひとり5ページ以上の反省文、世間からの批判を浴びないように、先生方が総出で内容をチェックし、すばらしい「反省文」が出来上がりました。
もう、野口君のことを語る人は誰もいません。「なかったこと」、リセットしたからです。
それでは、野口君はどこにいるの? なんで、野口君は自殺を図ったの? との問いかけには、もう、みんな反省したから、今更、そのことをほじくり返して、生徒を不安にさせるの?と、居直られてしまいます。

村内先生は、周囲の声にお構いなしに、野口君の机を教室に戻し、その席に向かって「おはよう」と声をかけ続けるのです。

園田(本郷奏多)君は、その平和を取り戻して、何事もなかったような教室の中でも、不安げです。先生のその行動に良心がさいなまれます。罰ゲームですか?

でも、このことは、園田君のクラスだけの問題じゃないです。
わたしたちが生きているこの社会が、あの学校のようになっていませんか?

「なかったことにしよう」という言葉は、被害を受けた人、いじめられた人のみが語れるはずです。人を殴っておいて、「忘れてやるから、なかったことにしよう」という人は卑怯で傲慢です。でも、得てしてそうなっていませんか?
過ちを繰り返さないことは、忘れないこと、ですね。

歴史の問題では、その傾向が強いですね。
とても考えさせられる作品でした。