「わたし出すわ」 おとぎ話を読んでいるような気持ちにさせられる、素敵な作品 | てるてるの小屋

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「映画の日」思う存分の第3弾は、「わたし出すわ」。これも新宿バルト9で観ました。

この作品のタイトルを聞いて、「ああ、『あみん』か」って、そりゃ「待つわ」だろ!
ということで、いいイメージを持っていなかったのですが、予告編を観ていたら、仲村トオルさんが、「お金は大事に使ってくださいね」とか言っていましたので、「なるほど」と、観ることにしました。

東京から故郷へ帰ってきた、山吹摩耶(小雪)さん。引越し業者の二人に「心付け」を手渡します。
中身を見た男はびっくり、あわてて返しに行きますが、摩耶さんは「では、そのお金を有効に使っていい思い出を作ってください」と言います。受け取った男は、もう一人の男と10倍も金額が違っていることに驚きます。

摩耶さんが最初に会ったのは、路面電車の運転手をしている道上保(井坂俊哉)さん。彼は、高校時代、ラジオの株式市況を聴いていた摩耶さんに、「マヤ、そんなの聴いて面白いのか」と声をかけていました。

仲の良かった同級生に声をかけたけど、みんな都合が悪くて、結局二人で会うことになりました。
保さんの夢は、世界の路面電車めぐりをしてみたい、ということ。その夢を持ち続けていると聞いた摩耶さんは、「そのお金、わたしが出してあげようか」と言います。

次に、摩耶さんが会ったのは、魚住サキ(黒谷友香)さん。女王様タイプの彼女は、転向してきた摩耶さんにライバル意識を持ち、「マヤをライバルと思っていい?」と声をかけてきました。
摩耶さんが東京へ行ってしまったら、天下はサキさんのもの。年は離れているものの、地元の有力企業の社長と結婚し、「玉の輿」に乗りました。
レストランを経営しているサキさんは、ジャージ姿の摩耶さんを見て、ドレスを買ってくれたりします。

保さんの自宅に、資料と見積もったお金がダンボールで届けられました。
びっくりしたのは妻のかえで(小山田サユリ)さん、あわてて摩耶さんのもとにやってきて問いただします。
結局言いくるめられて、サキさんが買ってくれたドレスまでもらってきて家に帰ってきたかえでさんは、有頂天になってしまいます。

夫に横領事件の容疑がかかり、そのさなかに急死してしまったため、贅沢な暮らしをしていたサキさんは、一挙に無一文になってしまい、以前のクラブホステス生活に戻ってしまいました。

お通夜で顔を合わせる同級生たち。その帰り、摩耶さんは川上孝(山中崇)さんの母親(藤田弓子)に会うために彼の自宅に寄りました。
摩耶さんに、「マヤ、走ってみろよ、嫌なこと忘れるぜ」と声をかけた孝さんは、有望なマラソンランナーでマスコミにもてはやされていましたが、足の故障で思うように走れません。
アメリカで治療を受ければ、再起できるかもしれないと聞き、摩耶さんは、「わたしが出してあげるから」と言います。

「マヤ、あなたは東京に向いている」と声をかけた、平場さくら(小池栄子)さんは専業主婦。夫まさる(ピエール瀧)さんは消費者金融会社を営みながら、「箱庭」作りに精を出しています。
ラジオで、「ゴールドバー」が家の郵便ポストに投げ込まれるという事件が相次いでいるというニュースを聞いて、「ゴールドバーをあげようか」という摩耶さんに対し、さくらさんは小型冷蔵庫を買ってもらいます。
その話を聞いたまさるさんは、「箱庭協会」の会長職を金で買えないか、と言ってきます。

養魚試験場の研究員をしている、保利満(小澤征悦)さんは、「マヤ、俺、魚の気持ちわかる男なんだ」と声をかけていました。
彼は、今彼が行っている研究に金を出すか、と聞いてきました。摩耶さんは、「出すわよ」といいますが、彼の研究に近づいてくる人たちが心配だといいます。
案の定、中国人の女性を差し向け、引き抜きを狙う溝口(仲村トオル)という怪しげな男が出没してきます。

サキさんは、摩耶さんの行動が気になり、「なぜ声をかけてこないのか」「スポンサーがいるのか」と問い詰めます。
摩耶さんは、彼女を質素な部屋に案内し、5つの金塊を手渡し、「もう私の全財産、サキに残しといたの」と言います。

摩耶さんのこの行動はなぜ?
お金をもらった5人の人たちは、どうなったの?

お金は使うためにあります。
どう使えば幸せになるんでしょう。

おとぎ話を読んでいるような気持ちにさせられる、素敵な作品でした。