


東北地方の山河高校の夏休み、数学の補習授業を受ける13人の女子高生は、小澤先生(竹中直人)の授業などてんで聞かずに傍若無人の振る舞い。
退屈で窓の外を眺めていた、鈴木友子(上野樹里)さんは、高校野球予選の応援に向かう吹奏楽部が乗るバスをうらやましげに見送りましたが、どうやら昼食の弁当が届いていないよう。
遅れて到着した弁当屋の男(森下能幸)が困っている姿を見て、友子さん一計を案じます。
かくして、弁当を野球場へ届けるということで、補習授業をさぼることに成功した友子さんたち13人は、列車の中でも弁当を1個つまみ食いし大はしゃぎ、眠ってしまいます。
おかげで目的地の駅を寝過ごし、炎天下徒歩で届けることができました(ちょっと寄り道しましたが…)
その夜、クラスの連絡網で入ってきた情報は、「予選大会で勝った山河高校の応援の吹奏楽部員と顧問の伊丹先生(白石美帆)が集団食中毒で入院。昼食の弁当が原因らしい。応援ができないので、急遽吹奏楽部員の募集をする」とのこと。
13人に弁当をつまみ食いされたおかげで、難を逃れた吹奏楽部員の中村拓雄(平岡祐太)君は、募集と編成をする羽目になり、「退部」もできなくなりました。
途方に暮れていた拓雄君の前に現れた女子生徒、関口香織(本仮屋ユイカ)さん。「何か出来る楽器は?」の質問に、おずおずとリコーダーを見せます。
そこへ、エレキギター、ベースをもった女子生徒、渡辺洋美(関根香奈)、山本由香(水田芙美子)の二人、勝手に弾き始めます。きくと、「バンドを解散したばかり、これしかやらないよ」とのこと。
頭を抱える拓雄君の前の廊下を、騒ぎながら通り過ぎようとする、あの13人組。拓雄君キレました。
無視しようとするが、弁当つまみ食いの件で追及され、たじたじとなる友子さんたち。
そこに小澤先生が現れたため、また一計を案じる友子さん。
吹奏楽部の助っ人を口実に、補習授業をさぼろうという作戦です。
そんなわけで、ぜんぜんやる気がありません。
そこに現れた野球部員で補欠の井上(福士誠治)君、とっさに「ビッグバンド」編成を思いつく拓雄君。
そして、惚れっぽい斉藤良江(貫地谷しほり)さんは、いがぐり頭に惚れてしまい、がぜんやる気に。
メンバーの肺活量など体力不足のため、ランニングなどでトレーニング開始。嫌がる友子さん、良江さん、大食いの田中直美(豊島由佳梨)さんですが、トロそうに見える香織さんが、意外な才能を発揮して一歩前にいるため、はりきらざるをえません。
そして、練習の成果が出てきて、なんとか、「A列車で行こう」を演奏できました。喜ぶ17人。
そこに、食中毒から回復した吹奏楽部員が復帰してきます。17人のメンバーはお役御免。
友子さんたちは、「いやあ、補習がサボれてよかった!」と捨て台詞を言って、音楽室をあとにしますが、トロンボーンを返したくない関口さんは抵抗します。
突っ張ってたものの、校舎を出るころには、もう悔しくって、悔しくってたまらない!
全員大声で泣きながら出て行きます。近所の老婆はそれを見てびっくり、「先生死んだのか?」と声をかけてきます。
もしかしたら、ビッグバンドで応援していたかもしれない試合。
吹奏楽部のシンバルに戻った拓雄君は、気のない応援ぶりで、部長(高橋一生)ににらまれます。
友子さんは、応援席から離れたところにいました。良江さんも直美さんも来ました。
試合は1点差で最終回2アウト。ここで、井上君が代打で登場。
張り切って、声をかけようとする良江さんとは別な方から「頑張って!」の声が。
応援する女子生徒(岩佐真悠子)に対し、胸のお守りを見せる井上君。
告白するまもなく、突然振られてしまった良江さんは呆然。
打席は、バットを振ることもなく2ストライクに追い詰められてしまいます。スタンドから野次。「スウィングしないと始まらないぞ」(こういうタイトルの曲があるそうな・・・矢口監督コメント)
「あと1球」コールが相手側スタンドから。やけになり同調する3人組。
裏切りは許されません。井上君が打った大ファールの球が跳ね返り、良江さんの顔面を直撃。お岩さんのようになってしまいました。
自業自得というのか、踏んだり蹴ったりというのか・・・。
結局、井上君三振でゲームセット、夏は終わりました。
新学期になっても、魂が抜けたような友子さん。吹奏楽部を覗いてみると、見学している香織さんの姿が・・・。拓雄君は退部していました。
廊下ですれ違い「どうも」と声をかける眼帯姿の良江さんも、とてもさびしそう。
楽器屋さんのショーウィンドーのテナーサックスはなんと35万。中古のサックスを見つけ、なりふりかまわず購入したものの、ぼろい。
でも、自分のテナーサックス。河原の土手で覚えている「A列車で行こう」を吹いてみる。すると同じメロディが聞こえる。音をたどっていくと、川の向こう岸で電子ピアノを弾いている拓雄君。川を挟んでの合奏。
メンバーを集め、ビッグバンドをやろうと声をかける友子さんに対し、楽器をどうするのか、の問題が。中古を買うことにし、そのためにスーパーでアルバイトに励むメンバー。
でも、あの性格の友子さんたちでは、うまくいくはずがありません。ぼやを起こし、クビ!
おまけに、ほかのメンバーは稼いだ金をファッションに費やしてしまい、ビッグバンドの熱も冷めてしまいました。残ったのは、友子さん、良江さん、直美さん、香織さんだけ。
何とか金を稼がなくてはならない4人組は、香織さんの提案で、拓雄君を引きずり込み、「松茸採り」。面白いように取れる松茸に喜びつつ、不安を感じる拓雄君。不安は的中し、窮地に陥る5人組。
まあ、結果オーライということで・・・。
念願の中古楽器を手に入れたメンバーは、その直後ぼろぼろ楽器であったことが判明し、落ち込みます。
それを見かねた、洋美さん、由香さんは、「それ直せるかも知んねえ」と言い出します。
修理工場で、彼女たちを待ち受ける怖そうな二人組の男たち。
どうやら、別れたバンド「シーラカンス」のメンバーのよう。
「どの面下げてきたんだなす」と、言う二人に対し、厳しく反撃する洋美さん、由香さん。すると、めそめそ泣き出してしまうのではありませんか。
見かけによらず、心優しい高志(眞島秀和)、雄介(三上真史)の兄弟はまるで「狩人」。
兄弟デュオとなった二人の新曲「失恋してもラヴィン・ユー」を聴いてあげることを条件に、楽器の修理に成功。泣き虫、弱虫、イジケ虫でも、腕は確かです。
さあ、楽器もそろったことで、友子(テナーサックス)、良江(トランペット)、香織(トロンボーン)、直美(ドラムス)、洋美(ギター)、由香(ベース)、そして拓雄(ピアノ)の7人は、「SWING GIRLS(AND A BOY)」を結成しました。
練習する場がなく、行くところ、行くところ、うまくいきません。何しろ、基礎も何もありません。
でも、ちゃんと救いの神はいるのですね・・・。
さてさて、「SWING GIRLS(AND A BOY)」は、どうなる?
ラストに向かって突っ走ります。
笑いあり、涙あり、青春ドラマ、そしてすばらしい興奮と感動。
「ジャズやるべ」ですね。
拍手喝采、スウィングしなきゃ!
DVDの音声には、2つのコメンタリー(1.上野樹里+平岡祐太+矢口監督、司会:武田祐子アナ)(2.貫地谷しほり+本仮屋ユイカ+豊島由佳梨+矢口監督、司会:武田祐子アナ)があります。これがおもしろい。上野樹里さんは友子のまんま。大勢のメンバーが騒いでいるところも、しっかり台詞が作ってあって、すごい事言っています。カラオケ屋には豊島由佳梨さんの歌が流れていたりします。
というわけで、合計3回観ました。
「スウィングガール」はまかせてください。