
「あの夏の日」「淀川長治物語」に続く、「なごり雪」の前の作品です。
赤川次郎原作の映画化です。
主演は峰岸徹さん。彼の語りで物語は進みます。
リストの「ため息」というピアノ曲が流れると…。
うだつのあがらない中年の営業マンの小坂勇一(峰岸徹)。妻和枝(清水美砂)との関係は冷え切っており、一緒にお風呂入ろうと言ってくれる娘早苗(長木唯)の笑顔が救い。
この日も成績の上がらない小坂さんは、会社で隣でいつも本を読んでいる八代景子(結木奈江)の村まで行ってみることにしましたが、山道でさまよってしまいます。するとそこに古い電話ボックスが・・・、受話器もダイヤル式。
そこにあった電話帳に懐かしい名前を見つけ、かけてみたところ…。
30年前の思い出が呼び戻され、彼は、その電話ボックスの中で、過去と向かい合うようになります。
二神幸(さち)(勝野雅奈恵)は、なぜ死んでしまったのか?
過去が変えられるのなら…。
そして、「僕は二度、君を殺すことになる!!」
峰岸徹さんがとても味わい深い演技をされていて、私にとって、この作品が彼の代表作だと思います。
小林桂樹さん、津島景子さんの存在感あふれる演技、結木奈江さん、清水美砂さんも好演していました。
若い俳優さんも頑張っています。青年時代の勇一を演じる宮崎将さんは、宮崎あおいさんのお兄さん。
勝野雅奈恵さんは、勝野洋さんの娘、大林監督の作品を観て女優になろうと思ったそうだ。
これは、もうひとつの「さびしんぼう」だと思います。
大好きな作品です。