

「ワルキューレ」を新宿ピカデリーで観ました。
歴史には、「れば、たら(レバニラではない)」はない、と言われます。ヒットラーへの暗殺計画は一杯あったようですが、ことごとく失敗し、自殺という形で、幕を閉じました。
この作品は、たぶん最後の計画だったろうと言われる、実際にあった話を映画化したものです。
陰謀とか、クーデターとか聞くと血が騒ぐ人はいるかもしれませんが、もしかしたら、とか、そういう気持ちにさせられるかが作品のキモですね。
昔、フレッド・ジンネマンという監督が作った「ジャッカルの日」という映画がありました。フランスのド・ゴール大統領の暗殺を描いた映画で、歴史の事実はド・ゴールさん暗殺されていないのわかっているのに、映画を観ていた人たちはほとんど暗殺されたなと思ったことでしょう。
「ワルキューレ」を観て思ったのは、クーデターの成功をほとんど確信していたにもかかわらず、崩壊していくありさま。「クーデター」を志す人は(物騒だな…)、なぜ失敗してしまったのか、この映画を観て学びなさいということ。
トム・クルーズさん、かっこいいですね。主人公のクラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐(フォンがつくから貴族ですねって、銀河英雄伝説かい)を熱演していました。
クーデターの真っ最中でも、音信不通の家族のことをすごく気にかけているのは、家族思いでえらいのか、集中しろよ!なのか意見が分かれるところですね。
クーデターといえば、「日本の一番長い日」を思い出しました。
ところで、最近、ヒットラーがらみの映画がいろいろ出ているようですが、なんでだろう? まさか、「実はヒットラーはいい人だったんだ」なんてことを言いだすのでは、それこそ「陰謀」ですね。
素晴らしい作品でした。