「限界集落って言葉、耳にされたことありますか??・・・これって、果たして地域の課題なの??」
「『人口減少』、『過疎化』・・・果たして悪いことなの!?」


こんばんは!
本日は、職場での研修内容を、紹介できる範囲で共有・そして私自身の復習(備忘録)としてご紹介いたします☆

職場では、各分野のスペシャリストを講師に招き、あらゆる問題・分野を学習します。
(参加者は、うちの職場以外からもいらっしゃるそうです。)
今回の分野は、企画振興(地域づくり)でした。

講師は、徳野貞雄氏。
専攻は農村社会学・農業社会学・地域振興論。
今春に熊本大学を退職され、まもなく一般社団法人理事長に就任されるそうです。
今回、徳野氏が杵築市大田で調査研究されたことをもとに、地域づくりへのアプローチについて講義が行われました。

↓以下、学んだポイントを簡単にご紹介↓

☆同じ1つの事実・現象←様々なアプローチ・見方・考え方あり
 ⇒本当の問題・課題は何??(見かけの相関に惑わされるな!)
・Ex1:とある過疎地域で、小学校が再開
   …見方A「子ども1人のために、1,000万円も投資するのか」
     ←→見方B「防災拠点にもなるし、あらゆる面で学校・職員が重宝される」
・Ex2:人口減少問題
    …見方A「社会の維持が難しい。。。(働き手がいない、活気がなくなるなど)」
   ←→見方B「ライバルが少なくなるので嬉しい(受験戦争など)」
・Ex2':人口減少問題の要因
    …見方A「少子化が原因なんだ!」
   ←→見方B「18歳の転出・移動がポイントでは?」
 ⇒同じ事実でも、見方は様々ある。また、各見方は別問題の次元。
  どちらか一方の見方だけをしていませんか??誤った(無駄な)見方・解決法に力を注いでいませんか??

現場を見ずして、勝手に考える/表現するな!(データだけを見てすぐに判断しない)
 Ex:「とある杵築市大田の集落は、高齢化率66%独居老人・高齢者夫婦世帯が多数21戸小規模集落です」
 →「うむ、『限界集落』だな!」…と、データだけで勝手に判断していませんか??(=「限界集落の嵐・一人歩き」)
 もしかすると、実は活気がある・暮らしやすい地域かもしれませんよ!
現地を見よう!(調査しよう・話を聞こう)

☆「世帯」と「家族」の区別をしていますか??→実は、「家族」がポイント!
→・「世帯」=住民票など台帳上の区分(←行政はこの世帯数ばかりに注目)
←→・「家族」=切っても切れないつながり
…Ex:3人家族(両親に子ども1人)だったが、子どもが成人し、都会へ転出
 →世帯数は2、しかし家族としては1つ(絶縁するなら別だが…)
 →家族はたとえ離れて暮らしていても、実はしっかりつながりがある!(後にこれがポイントに!)

☆実は、子どもが意外と身近(実家から1時間圏内)にいる
 →その地域だけを見てすぐに過疎・限界集落と決め付けるな家族状況も大切!
…たいていの地域では、子どもの7割は、実家の近辺に暮らしている
 →一緒に食事をするなど、頻繁に交流がある
 ⇒近辺に暮らす家族を考慮すると、実はいわゆる限界集落とは考えにくいという実情が判明

現地で調査することで、現状の分析・問題の本質が見えてくる!
 ⇒「常識のウソ」(固定観念)に要注意!
Ex:杵築市大田某集落の調査結果より
(1)「ふるさと環流現象」が見られる
  =「いずれ年をとって故郷に戻ってくる」傾向が、コーホート(特定年代が時を経てどう変化するか)調査より判明
  →焦らなくても大丈夫なのでは?いずれ人々は戻ってくるんだし。
(2)他所で暮らす子どもの居住地=8割が大分県内みんなが東京・福岡に行くわけでない
(3)公共交通について=なんと3割が「他人の車に乗せてもらう!」
 ⇒バス・鉄道じゃない!調査からも、9割がタクシー未利用→実は自家用車(相乗)だ!
(4)地域意識(自分の地区をどう思うか)
 →「人口は減る」、「生活が不便」、「活力や働き口は無い」etc...不満意見もある
 ←→But!「住み続けたい!」、「総合的には暮らしやすい」、「生きがいのある暮らしがある」etc...満足意見も多かった
 ⇒この逆説的な「なぜ?」に注目・点検しよう!(これを点検するのが専門家の役割)

☆「常識のウソ」に惑わされず、今どきの新しい考え方でアプローチしよう!
 →戦後・高度経済成長期のものさしにとらわれていないか?現実態を考慮しよう!
・Ex1:「公共交通機関(先述のとおり)」≠「バス・鉄道・タクシー」⇒「
 →「交通弱者のために、バスを整備しよう」→But,実際にはみな車に頼る調査結果
 ⇒こうして実態調査すると、本当に必要な施策が見える!
  (Cf:運転免許不所持=大人の15%→うち他人の車もない本当の交通弱者=15%⇒本当の交通弱者は大人の2%程度)
・Ex2:「生産人口年齢=15~65歳」、「高齢者=65歳~」→really??
 →「15~22歳はたいてい学生(稼ぐよりもむしろお金がかかる学生世代)」、「65歳以上でも元気な人がたくさん!
 ⇒これらの価値観は、戦後・高度経済成長期の考え←→現在の実情と大きく異なる
 ⇒「65~75歳=プレミアム世代」(知識や技術あり・元気もある・お金もある)→活用を!

集落は消えない
Ex:軍艦島(長崎)、鯛生金山(日田)
  …どちらも、鉱物(石炭や金)が発見されて人口爆発→鉱物枯渇後は人口減
 →注意すべきは、「地域(集落)が消えたのではない」こと。「都市が消えた」ということ。
  (急に人口が増えた=都市化した現象が消えたのみ。軍艦島はともかく、鯛生地区自体は人が残り集落も残る
 ⇒日本の人口も同じ。むしろ、戦後以降急激に人口がよく増えたもんだ。その現象が止まっただけ。

…との講演でした☆
講師は最後に、「この考え方は少数というのは承知。ただ、こうした考え方もあるんだよということを知ってほしい」との意図を語られました。
また、徳野氏は、「この講演を聴いて満足で終わらせたくない。ぜひ、大分でも研究会を作り、より専門的な研究や実践をみなさんとやりたい!」と意気込みも語ってくださいました☆
ご講演、ありがとうございました!


かなり熱のこもった講演&しっかりとした調査結果(データ)で、説得力がございました!
人に主張するときは、こうした情熱+確固としたデータがあると相手に伝え・伝われやすいのかと思いました☆
また、徳野氏からは、知識はもちろん、「物の見方・考え方」を学びましたm(__)m
同じ事象でも、考え・アプローチはいくつもある」、「常識のウソに惑わされるな!」…この姿勢はどの分野でも通ずるなと納得させられました!
「限界集落→マイナスな連想ばかり」、「交通手段=鉄道・バスetc...」の考えは、私もよくやるもの=常識でした。
ただ、その常識を疑うことが大切だと気づかされました(もちろんここが難しいところですが…)。


このように、各分野の専門家の話を伺うと、自分の知らない世界・考え方を参考に学ぶことができることを実感☆
今後も、各分野の話を伺い、学び、そしてそこから自分なりの考え方を形成・主張する(←ここが私の課題)ことを頑張ります!
なお、明後日も同じような研修(今度は商工労働分野)を受講予定です。楽しみです!


最後に、杵築市大田の波多方峠(※徳野氏の調査フィールドとは無関係。大田つながりでイメージとして)の画像をご紹介いたします!
2年前の職場の人権研修にて大田初訪問。
この絶景に魅了されました☆
ただ、この足元の峠道では、藩や差別と戦った人々の歴史もございます。
一方で、有名な儒学者も豊前・豊後の調査でこの峠道を通ったといわれます。
1枚の画像・1本の道でも、このように色んな歴史・情報がございます(今回の講座のまとめ風にw)。
 
以上、本日の研修の模様でした☆
=============================================
☆個人HP「◇PASTEL◇~大分からの風
  
http://www.geocities.co.jp/takatch2002/
☆【トリップアドバイザー】お勧めブログに認定されました!

 
☆1日1クリックしてくださるとうれしいです♪☆
ブログランキング・にほんブログ村へ にほんブログ村
更新がんばります!
=============================================