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「カップうどんのダシ、どこが境界?どういう背景があるの??」
「京都の寺院にある庭園:枯山水は素敵ですよね。だけど、なぜ白い砂が使われているの??」
…いきなり問いではじめましたが、この2つの問いを念頭に置きつつ、本日のブログを進めます!
おごめ~ん、大分のtakatch親方 です(`・ω・´)ゞ
昨日、「おおいたONSENジオシンポジウム」に参加してまいりました!
ジオシンポジウムは、11月半ばの豊後大野会場以来2回目の参加です。
※ジオパーク、シンポジウム、豊後大野大会については、以下のブログ記事をご参照ください。
→(1日目)http://bungo-ohno-seinen.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-3a41.html
(2日目)http://bungo-ohno-seinen.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-f3b9.html
大分県でジオパーク構想の機運が高まっています。
豊後大野、姫島と続き、別府・由布・九重地域をフィールド対象とする3回目のジオシンポジウムが行われました。
会場は、APU(立命館アジア太平洋大学)です。
学生や教授陣の半数が海外出身という国際色強い大学として注目されています。
13時半、ミレニアムホールにて開会。
以下、このジオシンポジウムの模様を、簡単な議事録風でお伝えします。
みなさまに内容共有できれば…という目的で紹介します。
長文となりますが、読んでいただければ幸いです♪
※あくまでも一個人の感想・紹介です。これがすべてではないことをご了承ください。
(感じ方・学んだことは参加者各自で異なります。また、文章量の都合上、すべてを載せておりません。)
○主催者・別府市長あいさつ
主催者代表として、県の部長がご挨拶。
別府・由布・九重地域の魅力を力説されました。
また、浜田博別府市長もご挨拶。
市長は、別府市について、「住んでよし 訪れてよし アジアを結ぶONSEN都市」を目指されているそうです。
“ONSEN”とローマ字表記にされたのは、(1)世界共通の言葉にするため、(2)「温泉」と「音泉」の意味をこめているため、だそうです。
今回のシンポジウムでもこの“ONSEN”が使われていますね。
<基調講演>
(1)「ジオパークの取り組みと現状」
○講師:渡辺 真人 氏(産業技術総合研究所)
様々な視点(人、観点、対象物)からの考察が非常に面白かったです!
ジオパークの仕組みと共に、ノウハウや先行事例、ジオと人間生活について語ってくださいました
[私のメモ書き]
・ジオパーク…×「岩石」「場所」⇒○「人」「活動」
→“場所にいる人たちの活動”、“なにをしているか”がPoint!
・地球科学者、地域の人、観光客、旅行業者、マスメディアの視点から、ジオパークについて考察。
→Ex:地域・観光客・旅行業者・マスメデイア…「この地域はすごい!」、「地域の誇り」、「地域の明るい話題」etc...
地球科学者…「防災など暮らしに役立つものがあるのに活かされていない現実」、「ジオパークを通じて地球科学に興味を抱いてほしい」
・関東と関西でカップうどんのダシが違うのは??
→境界は、新潟県糸魚川。ここから南、静岡を結ぶ構造線がPoint。
日本アルプスもあるように、この構造線上には険しい山々がある。
そのため、東西の文化交流も容易には行われなかったのでは?
Cf:ポリタンクの色→西では青色、東では赤色
・枯山水に白い砂が使われるワケ
→銀閣寺等の近くにある大文字山に着目!
その山は花崗岩(もろく崩れやすい)でできている→それが風化し、砂となり川へ流れる(白川砂)→庭園に使われる
⇒文化もルーツを辿れば、実はジオにつながっている!(自然が文化や風土を形成する。)
※そもそも、「なぜ枯山水に白い砂が使われているんだろう?どこから運ばれてきたんだろう?」という疑問自体、ジオ的な視点!
・兵庫県豊岡市のコウノトリ・柳
…玄武洞と呼ばれるスポットにある固い玄武岩の存在→川の出口を塞ぎ、湿地と盆地を形成→湿地にはコウノトリと柳が生息→柳行李文化も芽生える。
⇒大地・生き物・人の暮らしはつながっている!
・ジオパークを作るにあたり、ストーリーやガイドを整えよう
…○ストーリー→ジオサイトをストーリーでつなげたものがジオパーク!(ストーリーをたくさん作り、テーマにまとめよう。)
○ガイド→「伝える」「コミュニケーション」が大切!(×「語る」「指導する」。主役は「自然」!)⇒ガイドの印象がジオパークを決める。
・「ジオパークの人」になる!
⇒“語る”ことが不可欠!
→「ジオパーク/地域のこと」についてみんなと語ろう!→「なんでなの?」が大事!(疑問・謎があるからこそ面白い!)、専門家に対してもどんどん質問しよう!(専門家の話をただ拝聴するだけじゃダメ。)
・ジオパークの価値をあげるのは、「人」!
→ジオパークはコンテストではないことをまずは念頭に。ジオサイトを見せるのは、地元の人。いかにわかりやすく見せるのかがPoint!
・ジオパーク指定されたからとはいえ、すぐに大きな効果は現れず→地道にしていくことが大事。また大きな効果が現れずとも、地域にとって少しずつよい効果が現われはじめる(まとまり、愛着など)。
(2)「別府・由布・九重の火山の魅力」
○講師:竹村 惠二 氏(京都大学院教授、地質学鉱物学専攻)
別府~由布~九重~竹田~阿蘇を結ぶ「やまなみハイウェイ」沿線の景観を通じ、火山の魅力を説明されました。
景観写真に加え、鳥瞰図や地質図を活用しながら、バーチャルジオツアー体験をしました!
[私のメモ書き]
・人は、“火山性の温泉”(Ex:「熱い」、「硫黄臭」、「湯けむり」)に魅力を感じやすい!
→構成する3つのポイント…「熱」、「断層(通り道)」、「雨水」
⇒やまなみ地域は火山性の温泉が多く、魅力的
・「体で感じるツーリズム」も面白い!→温泉、山々などにじかに触れる
・別府・由布地域は、わずか100万年前の地質で形成→若く、躍動感ある土地
・火山の賜物は、なにも温泉や溶岩など“熱い”ものだけじゃない。滝・峡谷など、“冷”“涼”なものも火山の恩恵!
※竹村先生が紹介された地域について、記事の末尾で画像紹介します!(画像は私が撮影したもの。)
<パネルディスカッション>
テーマ「世界に誇る温泉資源を活かしたジオツーリズム」
後半は、5名のパネラーと1名のコーディネーターによるディスカッション。
講演してくださった渡辺氏、竹村氏に加え、中川和之氏(時事通信社山形支局長・日本ジオパーク委員)、由佐悠紀氏(京都大学名誉教授・地球物理学専攻)、畠田展行氏(APU名誉教授・航空や長期滞在活動専攻)、平野芳弘氏(別府八湯ウォーク連絡協議会代表)で行われました。
▽大分の温泉について
[由佐氏]
・キーワード=「多様性」…温度、水、泉質etc...
・別府・由布・九重の温泉地=世界の火山地域のモデル(温泉の仕組みを通じ、火山活動のメカニズムが見える)
・別府温泉地球博物館の設立→情報発信を行い、豊かな地域資源を次世代へ受け継がせる。
▽別府地域の資源をどうするか、ホリデーステイについて
[畠田氏]
・欧米型長期滞在型バケーションを推進している。
→別府市内成地区にて、農家空家を活用してエコウォーキングや体験活動を展開。
※空家活用→滞在費が安い
※内成地区=棚田が素晴らしい(日本の原風景)→都会人を惹きつける??
→苦労点:(i)地元以外の者が地域資源を見つけづらかった。
(ii)地域の名人を探し出さないといけなかった
⇒観光・ジオパークにおいて、上手に解説できるガイドが必要・大切!養成をしっかりと!
→「どうしたらお客に楽しんでもらえるか、わかったもら会えるか」を考えよう。
▽別府市での取り組みについて、ガイド導入例について
[平野氏]
・砂防工事河川の一気登山→歩道を通らず、砂防河川のみを歩く
(※別府市→日本屈指の急傾斜地域)
・風景街道(やまなみハイウェイ)→景観を守るための清掃活動
・油屋熊八ドラマ化
→別府観光を語るにあたり欠かせない人物。日本初のバスガイド養成、やまなみハイウェイ構想、ジオにも詳しかった(鉱物など)
・別府八湯ウォーク→路地裏などを散策しながら、歴史・地質(断層など)についても説明
▽ジオパークへの可能性
[中川氏]
・中川氏は神戸出身。その出身地で大地震発生→「早くジオについて知っていれば…」という思い→子どもへのジオ活動を行う。
・ジオパークの指定→地域の力にしよう!
・地獄に関するガイドブックの整備(「他の地獄とここが違う!」という説明など)
▽今後の構想について
[竹村氏]
・竹村氏も、阪神大震災が転機だった→地に足を付けた営みが大切(Ex:ふるさとを実際に歩き地域発見)
・日本人は、剥き出しの崖(自然の崖)を危険なものと認識しコンクリートで補強する習慣→本物の自然が隠れてしまっているという課題
・地獄ウォーク→2種類のテキストがあるとよい(1つは一緒に持ちまわれるもの、もう1つは家で学習できるもの)
・×「養成」(一方的・強制面もあり)→○まずは「興味」をもってもらうことから。
・九重あたりはコンテンツがそろっている⇒抜けている視点(女性・子ども・地元の方など)を意識しよう。
▽ガイドを増やすことについて
[平野氏]
・ジオパーク認定目標を機会に、ガイド講習を増やす
[渡辺氏]
・ガイドを増やす際の問題点
→お金をとるか/とらないか(徴収するか)→仮にとったとしても、実質休日しか客が来ない(収入が少ない)
⇒長期滞在を活用し、平日もガイドを活用してはどうか
▽長期滞在を活かすことについて(先行事例など)
[畠田氏]
・「いかに宿泊費を安くするか」がPoint
→外国人:まずはただで泊まれる場所(親戚・友人宅)を探す
⇔日本人:宿泊施設は“一人あたり”の料金になっている(≠“一室あたり”)=家族・集団に大きな負担
・外国…子どもへのバカンス補助金制度、企業でもバカンス支援活動を行っている。
・長野県のとあるスキー名所にある旅館…オフシーズン(夏)に、空室を1週間単位で安く提供=有効活用
▽ボランティアガイドのままで行く?プロの導入は考えている?
[平野氏]
・交通費等を事務局で支援しながら、少しでも長く継続させたい。
・「ガイド付きツアー」を求める旅行者が多くなった→長期滞在につながる、旅行者とガイドとの関係も親密化
▽人材育成について
[由佐氏]
・旅行会社「温泉地は修学旅行となっておらず」という声⇒新たな客が望めていないという大きな課題
・「子ども」にジオについていかに興味を持たせるかがPoint
→学校カリキュラム/社会教育にジオを組み入れる(←地学学習が薄い現状)、震災にも備える(地域の特性を知る)
▽感想・メッセージ
[中川氏]
・研究者の内容をそのまま受けず、「これはこういうことですか?」と質問する、概念や言葉(表現)を一緒に考える
⇒双方向のやり取り、自分たちの言葉で表現することが大切
[竹村氏]
・別府とそれ以外の地域の地獄の違い…「生活に密着しているかどうか」
→別府:生活の中にある ⇔その他:人里離れた場所にある
▽会場からの質問(一部)
◎持続可能な活動(上手に運営できる・地域への独自の経済的潤い)の先行事例は?
[中川氏]
・糸魚川ジオパーク→人に活気がある!⇒(ベース)「地域の誇り」を育てる、バックアップ体制
→Ex:「ジオ弁当」…商品に付加価値をつける
[渡辺氏]
・完全に自治体から自立して活動する団体はない(自治体が行っている)
・ジオ活動の活性化⇒付加価値化ができる(付加価値分の利潤をジオ活動に充てるなど)
・企業CSR活動などの活用=協賛会員を募る(Ex:隠岐ジオパーク)
…以上、シンポジウムのおおまかな内容です。
今回、“ONSEN”にスポットをあげたのがよかったと思います!
豊後大野のときは、岩石(石橋など)という固体にスポットを置き、「ジオ=岩石(固体)」のイメージがつきました。
しかし、今回は「温泉」「清流」など、固体そのものでなく、固体から派生するもの(気体・液体・文化)もジオなんだと学びました。
まさに視野が広まりました!
また、私たちの生活はジオの上に成り立っていることも実感(京都・豊岡の例など)。
豊後大野のときは、生活が基礎にありその中で石を活用していたイメージ(石橋など)がありましたが、
今回が、ジオが基礎にありその上で人や文化が育まれたというイメージをゲットしました。
これまた新しい視点となりました!
今回も本当に学習になりました!
講師の皆様、スタッフの皆様、本当にありがとうございました!!
最後に、別府・由布・九重地域のジオサイトの画像をいくつか紹介し、終わります。
(竹村氏の講演にも関連します。なお、画像は私が過去に撮影したものです。)
【別府市】
温泉こそ、火山の賜物!その上にたくさんの人々の生活があります。
【由布市】
☆由布岳・伽藍岳
豊後富士の由布岳!また伽藍岳では現在も火山活動中!
☆湯布院の街並み
日本の水百選も、ジオの恵み
この岩肌も、清流もジオの賜物!
【九重町】
橋をつなぐのは、噴火によって出来た崖。
さらにその崖には滝も流れています(震動の滝など)。
☆長者原、温泉
長者原はやまなみハイウェイの中でも絶景で有名!
山々の中を走る空間が素敵だとか。
あいにく、長者原自体の画像はありません…。
なお、この画像は長者原温泉です。
九重町も実は温泉王国!
…さあ、ぜひONSEN王国大分へお越しください♪
Cf:📝12月19日 歴代のブログ&動画集はこちら →https://ameblo.jp/takatch/entry-12644980243.html