寛永十一年の銘をもつ角倉船図絵馬(清水寺蔵)は、双六を囲む三人の形態が彦根屏風と酷似すると述べている(註1)。

その姿態の酷似は、彦根屏風の姿態の影響を受けたと考えられる。ゆえに寛永十一年(1634)において、彦根屏風はすでに世に存在していたと考えられる。またそれらの姿態は、近年の流行が表れたものと思われるから、寛永十一年の銘をもつ角倉船図絵馬よりも1・2年前となる寛永九年(1632)を一応、彦根屏風制作年代として仮定したい。

 

 

(註1)アート・アーカイブ探求より https://artscape.jp/study/art-achive/10129503_1982.html