七月大歌舞伎、夜の部
裏表太閤記を観てきました


開場時間の正面玄関はかなり賑わっていましたね
こんな雰囲気が好きです
これから観劇するんですよ
寂しかったらテンション下がってしまうでしょう
いつもの絵看板が・・・


写真の特大ポスターですよ
夜の部だけじゃなく昼の部もポスターでした
さて、裏表太閤記は43年前に猿翁さんが手掛けた作品です
ヤマトタケルはその5年後だからスーパー歌舞伎が生まれる更に前です

配役も小田春長や真柴久吉ではなく織田信長、豊臣秀吉と実名を使ってますから新しい作品なんですね

太閤記ですから主人公は豊臣秀吉
ニ幕目から登場します
序幕では信貴山弾正館から
松永弾正が信長を裏切り平蜘蛛の茶釜もろとも火を放ちます
史実的な歌舞伎と思いきや、弾正と光秀は親子だったり、その辺りは歌舞伎らしい設定です
続いて本能寺
舞台セットの時に大道具さんがござを投げ敷きます
見事に決まり拍手喝采です
信長は光秀に馬盥で酒を呑ませます
これ、時今也桔梗旗揚ですよね
屈辱を受けた光秀は主君信長に斬りかかり自害に追い込みました
次の場面、歌舞伎では珍しく道具幕を使用します
道具幕は幕に風景が画かれており、幕を閉めたまま演技をします
ミュージカルなどでは頻繁に行われていますね
舞台進行を止めることなく大道具さん達はこの間に次の舞台装置をセッティングしています
ニ幕は備中高松塞から始まります
秀吉が水攻めで滅ぼしたあのお城が場面です
ご飯を食べた後、寝ちゃいないのですがこの辺り記憶が薄くなってしまいました
寿猿さん頑張ってましたね
「敵の数はいかほどじゃ」
「今年で94になりまする」
歳なんて聞いてないよ~
場内大爆笑、いつまでもお元気で
この後、客席を使って展開します
儂の今日の席、3階だけど東の袖席です
偶然取ったのですが眺めがすこぶる良い席です
1階席の通路ではあちこちで立ち回り
2階席の通路では名のりがあります
ほぼ全体を見渡すことができました
山崎街道から秀吉の陣のある姫路城へと場面は展開して行きます
ここからニ幕のスペクタクルへ
場面の変化に目が離せません
姫路城から京へ向かうのですが、陸路ではなく航海へ
舞台装置は幕を閉めることなく姫路城から船に転換されます
アッと言う間に舞台は荒れ狂う大海原をさまよう1艘の船となります
乗船していたお通は海へ入水、嵐を鎮めるのでした
これ、ヤマトタケルの走水のシーンと同じじゃないですか
今まで荒れ狂っていた海が・・・
空を飛び始め雲の上に
奇想天外なストーリーに驚きの連続です
そしてニ幕ラストは本水による滝の場面です
滝壺での立ち回りは水をワチャワチャやるもんで楽しそう
この時期、見た目にも涼しいです
大詰では日本史からガラリと変わり、孫悟空の世界へ
出てくるのは孫悟空、猪八戒、沙悟浄
えっ?と思ったのが猪八戒
猿弥さんじゃないですよ
だって猪八戒はブタですよ
猪八戒と言ったら猿弥さん
猿弥さんと言ったら猪八戒でしょう
でも違う・・・青虎さん
あら~体型といい、お顔といい、ぴったりだわ
見事な猪八戒です
その青豚さん、じゃなかった青虎さん
最後にやってくれました~(^^)v
それは観てのお楽しみと言うことでね
なぜ、大詰で孫悟空なのか・・・
歴史好きな方はピンときたでしょう
そう秀吉のあだ名は「猿」孫悟空も「猿」
猿つながりなんですね
孫悟空の宙乗りは金の瓢箪を持って
その宙乗りがどう見たって狐忠信です
瓢箪は秀吉のシンボル
その瓢箪を親のように寄り添います
空中で瓢箪を持って全身を使っての愛情表現は昼の部と一緒ですよね
大詰のラストを飾る大坂城
孫悟空は秀吉の夢でした
大広間で繰り広げられるお能の世界
そして武将達が舞う三番叟は見応え十分
とにかく最初から最後まで目が離せません
見どころ満載過ぎます
スーパー歌舞伎にも似たようなエンターテイメント
実に楽しかったですね
相変わらず舞台装置を中心とした変わり者のレポに最後までお付き合いくださりありがとうございました