怪物黒潮3 北緯30度 屋久島vs杭州 温熱の記憶 | 書道正師範 高須番長 の 書道ブログ

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2014年5月6日

 前回 トカラ海峡での黒潮の凄まじいパワーを紹介した。
しかし、黒潮は何も魔の海峡作りばかりしている訳では無い。
ちゃんと、恩恵ももたらしてくれているのだ。

今回の主役は、薩南諸島屋久島と、
中国浙江省杭州(セッコウショウハンヂョウ)の両者である。


MAPにある通り、
屋久島はほぼ北緯30度
線上に位置するが、
お隣中国では、東シナ海
1000kmを隔て
浙江省杭州あたりが、
同緯度に該当する。
ただし杭州には
黒潮の影響は微塵も無い


さて、中国には従来から四大かまど(最も暑い都市)の
ランキング発表があり、
「おらが町が一番暑い!」「いや、うちの方が一番だ!」といった
威信を賭けた論戦を展開している模様である。

2013年7月17日 中国気象局発表の
「中国四大かまど都市」ランキングによると、

四大かまど 1位 福建省福州市
        2位 直轄市重慶市
        3位 浙江省杭州市
        4位 海南省海口市
 とあり、杭州市は 中国で3番目に暑い都市との事である。

余談だが、日本の猛暑ランキングベスト4は、
    1位 高知県四万十市(2014年8月12日 41.0℃)
    2位 埼玉県熊谷市  (2007年8月16日 40.9℃)
 同点2位 岐阜県多治見市(2007年8月16日 40.9℃)
    4位 山形県山形市  (1933年7月25日 40.8℃)
        である。
  
さて、話を元に戻すと、杭州は全く侮れない猛暑都市なのである。
ただし、猛暑のあとに穏やかな冬が来るのか?と言うと

世の中そんな単純ではない。

屋久島と杭州
こちらは残念ながら威信を賭けるほどの接戦ではない。

両者の平均気温を比較すると下図のようになる。

夏場は4者ほとんど差がなく説明省略。

本題、一番寒い1月の
平均気温
屋久島北部・・・・・11.3℃
屋久島南部・・・・・12.8℃
浙江省杭州・・・・・3.8℃
参考で東京・・・・・5.5℃



ほぼ同緯度の屋久島と杭州が、平均気温にして
なんと9℃も違うのである(@_@;) 

緯度はほとんど変わらないのに、
東シナ海を1000km隔てるとこれほど違うものだろうか?
ちなみに各々の緯度は
屋久島北部(北緯30度37分)
屋久島南部(北緯30度24分)
浙江省杭州(北緯30度27分)
参考で東京(北緯35度69分)  である。

それだけではない。
信じられないが、杭州の1月は
緯度にして5度以上も北の東京より2℃近く寒いのである。

また、注目すべきは
屋久島同士でも 北部と南部では1.5℃も違う事実。
黒潮がまともに当たるか、まともには当たらないかの違いだけで
こんなにも違うものだろうか?

屋久島北部の年間平均気温・・・19.2℃
屋久島南部の年間平均気温・・・20.4℃

やはり、黒潮の影響力を否定できない。

怪物黒潮は、トカラの海で怒濤を誇りながらも、
温暖という置き土産を決して忘れてはなかった。

一方、中国猛暑ナンバー3 杭州の冬は、
東シナ海1000kmの道程を経て、
はるかに望む怪物黒潮の恩恵を
悲しいかな、
爪の先ほども享受成し得なかったのである。


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