散歩してると
この時期って
カマキリを
よく見かけます
生きた獲物を大きな鎌でがっしりと捕え、むしゃむしゃと捕食してしまう昆虫界のハンター “カマキリ”。そう聞くと、いかにも恐ろしい危険な昆虫という印象ですが、大きな眼のついた三角形の顔を自由に動かす様子や、体を反らして様々なポーズで相手を威嚇する姿にはどことなく愛嬌があり、昔から子どもたちに人気の高い昆虫です。
“カマキリ” というの名前の由来には、「鎌で切る」から来たという説と「鎌を持つキリギリス」から来たという説があるそうですが、そもそもカマキリの鎌は敵を切るための武器ではなく、獲物をがっしり捕らえるためのものです。またカマキリは、色や形からバッタやキリギリスの仲間と思われがちですが、バッタやキリギリスではなく、ゴキブリやシロアリなどと同じ仲間に属します。
カマキリは秋に交尾・産卵を行ない、生まれた卵は翌年の春に孵化します。チョウやガの幼虫はイモムシの姿で生まれますが、カマキリの幼虫は卵からかえった時点でほぼ成虫と同じ姿をしています。そして蛹にはならずに何回かの脱皮を繰り返しながら、真夏から秋にかけて大きく完全な大人へと成長します(不完全変態)。また冬を越すカマキリはおらず、交尾・産卵を終えるとほとんどのカマキリはその数カ月の生涯を閉じます。
カマキリをよく目にする季節といえば「秋」という印象が強いのですが、カマキリの数が秋に多くなるわけではありません。春に孵化したカマキリは幼虫の段階から狩りを行ない、生涯を通じて積極的に獲物を捕食し続けますが、まだ大人になり切れていない春や初夏は体が小さいためあまり目立たず、秋になって充分に成長すると、私たちが見つけやすくなるのです。