二重瞼のカウンセリング  手術法の決め方②切開法についての説明



二重瞼の切開法は、皮膚を切開して皮膚と瞼板や挙筋腱膜に癒着を作るという方法です。この方法は、切開して皮膚の癒着を組織レベルで作ってきますので、基本的には二重瞼が取れてしまうことはありません。


私は、必要な皮膚の長さをしっかり確保するため、長めのミニ切開法をベースにします。目頭側と目尻側のそれぞれ約4mm手前までの切開ですので、約20mm程度の切開線の長さなります。あまり短くしすぎない理由は、切開線を短くしすぎると、瞼の外側の引き込みが甘くなり、目尻側の二重ラインが綺麗に出にくく、切開法のメリットを活かせないからです。もともと二重になりやすい眼で、患者さんが希望されれば、それより短めの切開を行う事もあります。

皮膚切除は基本は行ないませんが、必要があれば切除する事もあります。特に、上眼瞼たるみ取りとして切開法を行う場合は皮膚を切除します。上眼瞼たるみ取りの手術では、たるみの最も強い部分は目尻側になりますので、皮膚の切開は目尻の外側に達し、ミニ切開法ではなく全切開法が必要になります。このあたりは、またいずれ上眼瞼のたるみ取りとしてお話しします。


私の切開法での二重瞼の作り方は、腱膜弁法と呼ばれる方法で、皮膚を眼窩隔膜の折り返しに縫い付ける方法で、雑誌等にも記載されています。中縫いは基本的には行いません。ほとんどの二重瞼はこの方法で作成できます。ただ、かなり幅広の二重を作る場合、眼窩隔膜の折り返しでは引き込みが甘くなりやすいので、眼瞼挙筋そのものを使用する事もあります。

この方法のメリットは引き込みの量を調整しやすい事です。二重の切開線が凹まないように調整することもできますし、逆にしっかり凹ませてくっきり作る事もできます。デメリットは調整しやすさの副作用として、引き込み量の左右差が出やすい事です。眼窩隔膜の折り返しの量を一定にすれば左右差は出ないはずですが、眼窩隔膜の折り返しがわかりにいこともあり、結果的に左右差につながるのです。


切開法のメリットは、ずばり二重瞼が取れにくい点です。また、腱膜弁法では、引き込みの深さを調整する事で、二重の形の微調整が可能な点もメリットです。ただし、厚めの瞼の二重瞼を腱膜弁法を用いて自然に仕上げようとすると、引き込みが甘くなる事があります。


切開法のデメリットは、❶ダウンタイム ❷形の修正がやや困難 ❸結果が予想しづらい時がある の三つになります。

❶ダウンタイムについてです。まず1週間は糸が瞼についていますので、その間は周りの人達に確実に気づかれると思います。次にダウンタイムに影響を与えるのは術後の腫れです。腫れの期間は1週間から1ヶ月と幅があります。術後の腫れは①麻酔、②組織の腫れ、③内出血の腫れの三種類あります。①の麻酔の腫れは1から2日で引きます。②の組織の腫れは手術の与える組織へのダメージの結果で、手術時間や剥離範囲を少なくする事で減らすことができます。厚めの瞼で幅を広くするほど、組織の剥離が増えますので腫れは増える印象があります。最大の問題は③内出血です。手術中は確実に止血していますが、術後になんらかの要因で内出血しますと腫れが長引く原因になります。また内出血は左右差の原因にもなりますので、注意が必要です。


❷一度作った形を変えるのがやや難しい点もデメリットの一つです。憧れの二重瞼をせっかく作っても、いざその形で生活してみると思ったイメージと違う可能性があります。狭すぎる幅を広くするのはそれほど難しくはありませんが、広すぎる幅を狭くするのは難しいことがあります。埋没法だと糸を抜いて改めて糸を通すだけですが、切開法では改めて別の部位を切開する必要があります。それほど目立たないとは言え、傷がもう一本増えることになります。


❸時として、形の予想が難しい事があります。シミュレーションの形は参考であって、全くその通りになるわけではありません。日常生活では、カウンセリングで鏡を見ている時と同じ目の開き方や、眉の上げ方をするわけではありませんから、微妙なニュアンスの違いは生じます。これは切開法だけに限らず、二重瞼形成術全般に言えることです。ほとんどの場合は一回の手術で、期待した形に近づきますが、やはり時には、こちらの期待した形や患者さんの期待した形から外れる事もあるものです。そんな時、あきらめて放り出すのではなく、期待通りにならなかった理由を考えて、解決するために再施術する覚悟と勇気が術者にも必要と思っています。患者さんからも、「うまくいかなかったから下手なんだ。またやってもらうのも怖いから他の先生に相談しよう」と思われないように、術前から十分に説明をして信頼を得ておきたいと思っています。そうしないと、患者さんにとっても術者にとっても不幸な事態につながるからです。


二重瞼の切開法は、バッチリ決まれば魅力的な目を一生維持することができる素晴らしい手術です。しかし日常生活に密接に影響しますから、うまくいかないと生活に大きなマイナスになります。手軽な印象の強い手術ではありますが、しっかりとシミュレーションを受けて、納得した形で手術を受けていただくことが大事で、わたしもそんな覚悟で手術に臨んでいます。