日増しに寒さが深まってくる時期となりましたが,皆様いかがお過ごしでしょうか?
今回『RA(関節リウマチ)の作業療法』についてお話しさせていただきます。
関節リウマチは自己免疫である免疫細胞が自身の関節,特に頸部や四肢の関節を破壊することがよく言われております。発症により関節の炎症反応による疼痛が出現し, 関節の変形が伴う症状が出現します。特にこの時期の気温差が大きい時などに疼痛が出現しやすいようです。
そのため関節リウマチの患者様にとってはこの時期は大変であるとよく耳にします。
関節リウマチの治療としては薬物療法が基本となり,以前に比べ現在では治療薬の研究が進み早期に対処すれば病気の進行を遅らせたり寛解することが出来ます。
しかし以前では,炎症反応を抑える作用はあるがリウマチの進行を遅らせることが出来なかったり,副作用の強いものであったりと,現在に比べリウマチ患者様にとっては苦痛となっておりました。
そのため関節リウマチによる疼痛や関節の変形などの症状が出現した患者様は,日常生活での家事や仕事などに支障をきたすことがよくあります。
その困った部分にアプローチするのが『作業療法』です。
作業療法は日常生活内で支障が出ている動作に着目して,
・負担を軽減する動作の指導
・自助具といわれる負担を軽減する道具の紹介
・その人個人の身体に合った装具の作成
などを行っております。
当院ではリハビリに来られた患者様にまずは病態の説明・日常生活動作内の負担軽減動作の指導をしております。
特に女性の方は家事などに支障をきたしていることが多く,負担となっているため詳しく説明することが必要となります。
また家事の際に負担となる動作に関しては,自助具の紹介なども行っております。
当院で紹介している自助具の一例として,
○調理動作時の包丁の使用に関して
グリップ包丁 ユニバーサルデザイン
包丁の柄の角度を調節できます
○ペットボトルの開閉自助具
など調理動作,更衣動作,入浴動作に合わせて紹介させていただいております。
なお上記自助具に関しては『公益社団法人日本リウマチ友の会』でも紹介されております。
そして当院でのもう一つの特徴としてリウマチ患者様用の装具の作成も行っております。
この装具に関しては,手指に装着して頂く装具が主ですが安静時用と動作時用の装具があります。
安静時用装具としては安静時や就寝時などに装着して頂き,炎症を抑制する目的で作成しております。
動作時用装具としては家事の際の手指のサポートを目的に作成し,負担を軽減することが出来ます。
○安静時用装具として
○動作時用装具として
装具に関しては一例ではありますが,これらの装具を装着して頂くことにより関節の負担を軽減すること,関節の変形を矯正することが出来ます。
これらのアプローチにより,リウマチ患者様がよりよい日常を目指していくための一つの支えとなり,個人だけでなく家族や周囲の方々とのよりよい日常にも反映されることを目標としております。
長い人生の中で少しでも,
・自分で食べる
・自分で服を着る
・自分で料理をする
・趣味を楽しむ
を出来るように,日々作業療法士がサポートしておりますので,お困りの場合は是非ご相談下さい。