アメリカで起きているデモについて。
警官に対して「Sir」「I can't breathe」と訴え、 「Mam」と泣き、抵抗を見せない黒人男性に対し、膝で首(頸動脈)を動かなくなった後も執拗に抑え続けた、白人至上主義思想の警官。その後、黒人男性は息を引き取り、帰らぬ人となる。
もう何年も繰り返される悲劇。
黒人差別問題。というか、根深く蔓延る白人側の優生意識問題。
これを受けて、ミネアポリスやNYC、そしてワシントンDC等々で人種を越えたプロテストデモが起こる。
その最中、ワシントンDCでは大統領がホワイトハウス近くの教会で写真を撮りたいというだけの理由で、デモをしていたプロテスター達に催涙ガス弾やゴム弾を撃ち込み排除を試みた。当然、この仕打ちにプロテスター達は怒りを露わにする。クオモNY州知事も大統領の馬鹿げた行動に怒る。
この怒りをより大きなうねり・暴動へと変化させた原因が他にもある。
①警察への抗議という訴えでデモをしているプロテスターやANTIFAだけでなく、略奪だけを目的としたルーター(Looter)、そして反資本主義・無政府思想の破壊だけを目的とする黒ずくめの集団・ブラックブロック(Black Bloc)が同時期に活動した事。
②白人至上主義思想グループがANTIFAになりすまし、Twitterを使って暴動を煽った事。
③大統領が「暴動はANTIFAがやった、だからテロ組織に認定する。そして、国軍によるデモ制圧も選択肢として有る」といった主旨の発言をし「市民に銃口を向けるとは何事だ!愚かだ!」とプロテスターやANTIFA、リベラルの市長や州知事から反発を買った事。
因みにANTIFAは反ファシズム(anti-facism)という志向的・思想的行動であり、組織ではないので明確なリーダーも存在しない。
それを大統領が(自分の行なった事を棚に上げて)テロ組織だと言ったので非難が噴出。
その為、余計にデモ活動が収まらなくなっているのが現在。
しかし、日本といえば「トランプ大統領、極左集団ANTIFAをテロ組織に認定と発言」とだけの、ちょっとズレた、掘り下げ方・解説が足りない報道状況。
ANTIFAを疎ましく思っているトランプ大統領からすれば、日本の報道は素晴らしい!という事に。
クオモNY州知事のようなリベラルからすれば、日本の報道大丈夫か?という事に。
現在のところ、日本ではルーターやブラックブロックと一緒くたにされて、かなりの確率で『ANTIFAは100%極左のテロ集団』という、トランプ大統領の言葉そのままの印象付けになっていると思う。