この前の土曜日と月曜日は災害ボランティアに勤しみ、その間の日曜日は仙台のAERでの催しにお邪魔。
そして、昨日は観劇の為、仙台演劇工房10Boxへ。そのタイトルが…
原作・柳 美里さん
演出・前田 司郎さん
『ある晴れた日に』
昨年、福島県南相馬市小高に柳さんが居を構え、書店「フルハウス」と演劇アトリエ「LAMAMA ODAKA」を開店したのをキッカケに、約四半世紀ぶりに劇団・青春五月党が復活。
「静物画」「町の形見」に次ぐ三作品目。
福島・小高の回、岩手・盛岡の回、そして宮城・仙台の回、それぞれのエンディングが変わる今作。
前半は笑いも起こるような展開から、ある一点から徐々に静かに、もの悲しく、観ていてグッと胸に来るものへと…
戯曲から小説へと軸を移して現在に至った経緯の柳さん。あの短い時間で心を震わす作品を書き上げるのは、本当に凄いとしか言えない。
そして、前田さんの原作の大事な本質は微塵も失わず、それでいて演出としての取捨選択と表現のアプローチの見事さ。
しかも、柳さんのアフタートークで、柳さんは前田さんに感想やら原作の解釈といった事は触れず、話さず、一切干渉していない事を明かす。
演出・前田さんへの信頼と柳さん自身の懐の深さを垣間見る話。
今回のような良い作品が観られるのも、柳さんが小高に居を構えてくれたからで、本当に有難い。
席も、比較的小さいハコとはいえ、全公演完売、キャンセル待ちと当日に数席だけ増設した席を求めるような活況。
どれだけ期待値が高い作品だったか、この景色を見ただけでも充分察する事が出来た。
次回の青春五月党の公演が今から非常に楽しみである。