今日は昨年10月から待ちに待ったイベント

ライブ文学館Vol.19
恩田陸『蜂蜜と遠雷』を聴く

@日立システムズホール・仙台シアターホール

出演者は…

ピアニスト・文  京華さん
ピアニスト・葛原  寛さん
担当編集者・志儀保博さん(幻冬舎取締役)
MC&朗読・石垣のりこさん(DateFMアナウンサー)

石垣さんの朗読だけでなく、作中(二次予選)で演奏された楽曲を生演奏で聴けて、その上、『蜂蜜と遠雷』の担当編集者の話まで聴ける…

しかも、ピアニストのお二人は仙台に縁のある方。

案の定、前売りで完売、当日券無しの満員御礼~♪

第一部は、朗読と演奏。
石垣さんが朗読し、演奏の場面で実演するという流れで展開。

まずは葛原寛さんが、作中で“風間塵”が演奏した課題曲を。

①モーツァルト「ピアノ・ソナタ第12番へ長調K.322第一楽章」
②リスト「二つの伝説S.175~第一曲 小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ」

次に文京華さんが、作中で“栄伝亜夜”が演奏した課題曲を。

③ラフマニノフ「絵画的練習曲 音の絵Op.39-5アパッショナート 変ホ短調」
④リスト「超絶技巧練習曲 第五曲 鬼火」
⑤ラヴェル「ソナチネ」

※①と④の楽曲は『蜂蜜と遠雷』のコンセプトアルバム未収録


第二部は、出演者4名によるトーク。

人前でおしゃべりするのが苦手な恩田先生は、出演する代わりにメッセージを託してくれていて、それを石垣さんが代読。

本作の構想から出版までの12年、志儀さんがどう恩田先生と関わったか、ちょっとユーモアを交えて話してくれたり、

ピアニストのお二人が本書を読み、そして演奏してみての感想や、本作に登場する4人のコンテスタントの中で誰が近い、または思い入れが深いか…等々をトーク。

執筆する上で、恩田先生が実際のコンテストを聴きに行っていたのは存じ上げてましたが、

まさか、どんな楽曲がコンテストで多く演奏されるか等の楽曲そのものの下調べはしたが、

ほぼほぼコンテストに関わる当事者に聞き取り取材をせず、コンテスタントが奏でた音から感じた事、そこからコンテスタントの心の機敏を書き上げたとか…凄過ぎです。


そして、志儀さんの話で、登場人物の性格は作家(恩田先生)自身に内在する性格から引き出されたものあり、

作家自身が持ち合わせていない性格を想像して作り上げたものではない、との事。

その中でも“風間塵”が一番、恩田先生の中に持ち合わせていない性格で、小説が描く世界を豊かにする為に生まれた登場人物が故のよう。

確かに、心理描写や演奏時の描写が他のコンテスタントと違うスタンスで書かれていた理由はここなのか…と。

こんな話は、今日のようなイベントでないと聴けなかったなあ…と、つくづく思う次第。本当に素晴らしいイベントでした。


右側は、以前W受賞の際に購入したもの。

そして、左側の今回購入した本(映画化の帯の方)は、今回のイベント用に30部限定で、普段と違うサインがされていたので即買い(笑)

保存用の一冊ですね~♪