何だかんだ言っても、CMを打つ企業にとって、コミカルなものから自然体な感じを醸すものまで、見た時の嫌味の無い安心感が起用する理由の1つだよな…と、ふと多部ちゃんを見て思った次第。


さて、先週末に開催された一人芝居フェスの東北版を観覧。
   “INDEPENDENT:SND”18

「SND」は開催地が仙台(SENDAI)という事で。

出演は7組。演者と脚本、演出の描き出す世界は各々の色を持ち、観る側の好みで評価も割れる作品も有り。


そんな中、敢えて2作品を…


1つは「ずんだクエスト」

演者・菊池佳南(青年団、うさぎストライプ)
脚本+演出・山田百次(ホエイ、劇団野の上)

宮城(岩沼)出身の佳南ちゃんと青森出身の山田さんが東北・宮城でやる芝居…という事で書き上げ、演じた作品。

のっけから堪えられずに笑ってしまう展開と、ブラックユーモアを交えた内容で、佳南ちゃんから「山田さんの無茶ぶりがね…」と言っていた理由が良く判り、よくこの世界観・設定を書き上げたな~!と山田さんに感服。

そして、その無茶ぶりを演じきる佳南ちゃんの『やりきる力』にも感服。

宮城だけで終わらせるのは勿体無いと思っていたら、今度のホエイ公演@こまばアゴラ劇場で、アフターイベントで回を限定してやるとの事。やっぱりね(笑)


もう1つは「こころ」

演者・本田椋(劇団 短距離男道ミサイル)
脚本・中村大地(屋根裏ハイツ)
原作・夏目漱石

最近、他団体への出演であったり、バレエダンサーとのコンテンポラリーダンスでの共演であったりと、演者としての幅を出す、引き出しを増やす事に果敢に取り組んでいる本田君。

夏目漱石の著名な作品を敢えてチョイス。

必要最低限な光量と数の照明の舞台上、主人公の内面を独白を思わせる流れで、観る者をグッと引き込む世界を見事醸し出す。

足すでもなく、引くでもなく、時としてひたすら淡々と。

準備運動・ウォームアップの際に、自分の身体と対話しながら舞台に向けて仕上げていく、ストイックに内省的アプローチを必要とするダンサーとの共演が非常にプラスに働いたのでは?

ともかく、本田君は演者として、次の段階・ステージへ踏み出したような気がします。今後の展開がどうなるか、非常に楽しみです。


あと、余談として…
一人芝居なので致し方ないのかもしれませんが、時間の経過であったり、舞台の時間的転換点を『舞台上で走る』という事で表現する手法を使用した作品が今回も2作品有りました。

走っている事自体が演技と一体化したものであれば観ていても耐えられるのですが、場面転換としてのみの意味合いが強くなると、手法としてのワンパターン感がどうしても否めない事が…