頭上を鳥が飛び去った

ハッと軌跡を目で追うと

そこにふわりと漂う一片

まるで太陽の破片のように

きらりと眩しく輝いていた

思わず手を伸ばしてみる

でも戯れるようにすり抜ける

まるで幸せがすり抜けるように

そうだ優しく水を掬うように

隙間から水が溢れないように

そっと受け止めてみよう

脆く儚いその一片を

潰さないように

壊さないように

どうか願いが叶いますようにと

静かに祈っていた

体温より7℃低い夏の今日