試験に出る哲学 「センター試験」で西洋思想に入門する 斎藤哲也 | (本好きな)かめのあゆみ

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かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

本格的に哲学書を読む

ということは億劫なのだけど

こういうガイド的な哲学入門の本は好きで

これまでからしばしば読んできた。

 

「センター試験」での過去問をきっかけに掘り下げていくスタイルで

なかなかおもしろい。

 

本書でも書かれているとおり

「センター試験」での問題作成者の

単なる選択問題にせずに哲学の理解が試せる問題にしよう

という思いがよく伝わってくる。

 

時代を追って哲学の変遷を二百数十ページで概観する。

 

それぞれの時代の哲学者の考え方がコンパクトにまとめられているので

あの哲学者はどんな考え方だったかな

とか

あの考え方はどういう背景で生まれてきたんだったかな

とかを調べるのにも便利そう。

 

哲学の歴史は繰り返し。

 

前の考えを否定あるいは懐疑しながら

あたらしい考えを導き

ときには元に戻ってみたりして

ぐるぐる回っているようにも思える哲学の世界。

 

ニーチェとかサルトルとか

ウィトゲンシュタインとか

近代の哲学者の考えに影響を受けているようでもあり

カントやヘーゲルの考え方かもしれず

はたまた

ソクラテスやプラトンの考え方も魅力的。

 

ぼくなんかは

誰の哲学の影響かを理解せずに

いいところどりをしながら

自分にとって都合のいい解釈をして

人生を生きやすくするために

哲学の知識を利用している。

 

厳格な哲学の愛好者からすると

低レベルと蔑まれそうな使い方だけど

ぼくは過去のいろんなひとの考え方のおいしいところだけを

使わせてもらってもかまわないと思っている。

 

矛盾する考え方だってかまわない。

 

人間の生活には矛盾せざるを得ない場面がしばしばあるんだから。

 

まあそれにしても

類書を何回も読んでいる割には

誰がどんな思想だったということは全然覚えられず

ちがう本を読むたびに

あたらしい発見をできるというのが

われながらばかというかしあわせというか。

 

ところで最近

カントの哲学とバッハの音楽に親和性があるような気がしていて

それはどちらも律義で数学的という感覚なんだけど

バッハが40歳くらいのときにカントが生まれているので

18世紀という時代の空気感というのは哲学も音楽も似ているのかもしれない

などと考えたりしている。

 

あとぼくの生き方は

能動的ニヒリズム

という感じなので

ニーチェの影響が強いと思う。

 

来世とかあの世とかでしあわせになろうとしても

そんなものはなくて

いまとおなじ人生がこれからも何度も

未来永劫繰り返されるんだから

いま・ここ

生そのもの

をあるがままに肯定して生きていけるように

発想を転換しようよ

っていうふうに思っている。

 

 

 

 

--試験に出る哲学 「センター試験」で西洋思想に入門する--

斎藤哲也