3月のライオン(10) | (本好きな)かめのあゆみ

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かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

零も高校3年生に。

それにしても
ひなちゃんが同じ高校に通ってるっていうのは
零にとってはうれしいこと。

なんだと思う。

でも
同級生の男子とかとたのしそうに話してたりするのを見るのは
なかなかにくるおしいことかもしれないけど。

かと思うと
こどもの頃にお世話になっていた家を訪問。

なんだか切ない。

それぞれのしあわせ。

それぞれのおもい。

だれもわるくないのに
どこか歯車がかみ合わないってことはよくある話。

雨が降っている。

雨が降っている。

そして違和感の正体。

この飄々然とした父。

酷い。

こんなことってあるのか。

とうていまったくちっとも理解できないのだが
あり得るのかもしれない。

知性は高いのかもしれない。

しかし人間の感情への想像力があまりにも欠落している。

とそう書いてはっとする。

もしかしてぼくもそんなに違わないかも。

いや自分では違うと思っているけれども
似たような場面になったらわからない。

いややっぱりそれはないよ。

と思いたい。

そして零の宣言。

女の子の気持ちは将棋の百分の一もわかっていないかもしれないけど
それにあまりにも唐突すぎるけど
でもちょっと痺れる。

なにしろ零は信用できる男だから。





――3月のライオン(10)――
羽海野チカ