平等 | (本好きな)かめのあゆみ

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かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

--おまえは物事を平等に決断できる男だ・・・「自分の命」をも含めてな

ただいま
ジョジョの奇妙な冒険
を通し読み中。

好きなフレーズは数々あれど
今回読んでいて
おおっ!!
と気に入ったフレーズがあったので
ここにメモしておこう。

53巻
第5部
黄金の風編
から。

ボスの娘トリッシュを護衛しながら
列車に乗り込む
ブチャラティたち。

しかし
追手のプロシュートとペッシにより追い込まれる。

ペッシの攻撃から仲間を守るか
プロシュートを倒してトリッシュを守るか
選択を迫られるブチャラティ。

仲間もトリッシュもどちらも守りたいブチャラティ。

そんなブチャラティに向けてのプロシュートのことば。

--甘いんじゃあねーか!ブチャラティ
仲間を切り捨てても娘を守るためオレを倒す!
それが任務じゃあねえのか?
「幹部失格」だな

しかし
ブチャラティは自らの身を挺して
仲間もトリッシュも守ろうとする。

その姿に敬意を表したプロシュートの発言がこれ。

--さっきおまえのこと「幹部失格」だなんて言ったが撤回するよ・・・
無礼な事を言ったな・・・
おまえは物事を平等に決断できる男だ・・・
「自分の命」をも含めてな・・・

これいい。

平等平等
ってお題目のように言うひとがいるけれども
それは自分を除いてねっていうパターンが多い。

自分が平等よりも悪い位置にいる場合は自分も含んでいるけど
自分が平等よりも良い位置にいる場合は自分を含まない。

たとえば
非正規雇用にも平等な賃金を
って正規雇用のひとが言う場合には
自分の賃金を引き下げるのは困るけどね
っていうのが前提にある。

平等っていうのは本当は無慈悲なもので
自分や家族に対しても平等を課すっていうのは
かなりの覚悟がいる。

ほかにも
災害が起こったときに
まわりは食糧がなくて困っているのに
たまたま自分は何かのツテで食料が手に入った。

家族だけに分け与えると家族は喜ぶに違いない。

しかし
自分が食糧を手に入れたのは果たして平等なのか
と考えると決して平等とは言えないだろう。

少なくとも
食糧に困っているひとからは
不当に思えるだろう。

では家族も含めて全体で分けることができるか。

家族のことを思うとそんなことはできないだろう。

強烈なジレンマである。

あるいは
戦争が始まって徴兵制が復活した。

たまたま自分は
自分の息子を徴兵の対象から外せる権限を持つ立場にいる。

しかし
自分の息子を徴兵の対象から外すのは果たして平等だろうか。

けっして平等ではない。

けれども
平等ではないからといって
権限があるのにもかかわらず
むざむざ自分の息子を徴兵の対象にできるか。

そんなことはできないだろう。

自分のことも含めて平等に物事を決断する。

平等とはなんと厳しく困難なことかと思う。