“スタッキング可能”に続けて読んでみた。
結構、書評なんかでも評判の表題作を含む短編集。
収録は
英子の森
*写真はイメージです
おにいさんがこわい
スカートの上のABC
博士と助手
わたしはお医者さま?
の6作品。
“英子の森”は、正直、期待値が高すぎて、ちょっとぼくとしては肩透かしを食らった感じ。
英語に縛られてる、っていうのはよくわかるけども、森が醸す効果というのがいまひとつぼくにはしっくりこなかった。
それでもこの
英語を使う仕事と英語を使わない仕事、その差50円。
っていうのはあるかもなあ、って思った。
英語を使う仕事をやらせてやってるんだからこれくらいの時給でもいいよね、って感じの。
英語が手段ではなくて目的化してるのをうまく皮肉っている。
でも、松田青子さんの特徴は、やはりユニークなアイデアと世間一般の常識に対する毒のきいたアイロニカルな表現にあるのだろう。
それを活かした“博士と助手”と“わたしはお医者さま?”がぼくはおもしろいと思った。
長い作品よりも、短い作品の方が、彼女のアイデアが活きるんだろうな。
――英子の森――
松田青子