9月に4巻を読んでから、ずいぶん久しぶりになってしまった第5巻。
あいかわらず、あえてゆっくり時間を空けて読んでいる。
あたらしい巻を読むときには、その都度、1巻から読み返すことにしている。
その方が、物語の世界に入り込みやすいから。
よもやひなちゃんにあのような試練が訪れるとは思ってもみなかった。
つ、つらい。
島田八段の人柄は、かなりいいなあ。
そして“放課後将棋科学部”。
野口先輩。
林田先生、いいなあ。
――「案ずるより 産むが易し」って 俺の経験上だと 8割方 真実なんだよな
わかるわかる、いまならわかる。
隅倉九段、若い風格。
そしてやはり内に秘めたる熱い思いは他の棋士と同様。
つまり宗谷名人だって、熱いはず。
柳原棋匠、いい味出してる。やっぱり修羅場で長年たたかい続けてきたベテランは違う。
後藤は尖ってるけど、その激しく繊細なところが香子にとっては魅力なのかな。
後藤の不器用な優しさが危なっかしくて放っておけない感じ。
小さな将棋盤にすがりついて、足のつかない夜の海で浮かぶ零。
心細かっただろうな。
でも、こども時代には、それぞれのこどもたちが、それぞれの置かれた境遇なりに、同じような不安な時間を過ごした経験があるはず。
ひなちゃんの素直でまっすぐな優しさと強い意志。
零を激しく撃つ稲妻。
――不思議だ ひとは こんなにも時が 過ぎた後で 全く 違う方向から 嵐のように 救われる事がある
うん、これもわかる。
――3月のライオン(5)――
羽海野チカ